MY LIFE

Road to 金龍② スタートラインに立てる幸せ(〜55km)

スタート前夜
友人から「がんばれ!」のメールが届く。ウルっとくる。
寝ようかとしたところ、師匠岩永さんから熱〜い長文メッセージが届く。
「あの6年前、S55kmの千々石40kmでリタイアした小川さんがWのスタートラインに立つなんて鳥肌ものである。誰が完走して、誰がリタイアするかなんて分からない。小川さん自身が納得のいく走りをしてもらえれば十分です」号泣。

スタート当日朝
自宅で子どもたちといつものように食事。平日なので小学校に行くのを見送る。「パパ、頑張るけん」少なくとも次会える明朝の由比ヶ浜(135km)までは粘りたい。

昨日までのなんとも言えないだるさ(自称、パワーセーブモード)から抜けた感じで気合が入っている。
初心を思い出すために、2015年春、初L挑戦時のケーブルテレビの取材番組を再度視聴する。号泣。

スタート地点まで自宅から車で15分。全国からいらっしゃるランナーの皆さんと比べて、地元って恵まれているなあとつくづく思う。

スタート地点(水辺の森公園)
6年前は誰ひとり、知っている人はいなかったこの大会。
3年前のM80kmに参加して以降、大会参加を重ねるごとに、勝手にエイドやボラをする毎に、練習会を企画するたびに、お友達が増えていき、賑やかな受付となる。


※師匠の一人岩永さん

我が師匠の一人Kさん陽気で変な北九州ウルトラの面々


左は大阪から。スーパーランナーのお二人。
右は福岡のちっちさん。彼女もスーパーランナー。

スタート
いつものように最後尾。敬愛する西田さんと雑談しながら進む。


photo by hiroko zama
アンパンマンの被り物で走るAさん(北九州)のおかげでリラックスできた^^(途中何度も一緒になり、アンパンマンが見えるたびに元気と勇気をもらった。彼はそのままゴールして、金龍ランナーとなった。次元が違う^^)

稲佐山(7km)、あぐりの丘(25.3km)。予定通りの時間に到着。順調に遅い。
エイドボラには師匠I川さん。「(レースを)やめる理由を見つけないことね」が彼女の金言。金龍ランナーの言葉は哲学的だ。彼女は前々回のWでリタイア、前回完走。ご主人はリベンジトライ中。「旦那は胃が持てばいいけどねー」(70kmで胃がやられ、その後リタイア)。

私はというと、最初から足裏に違和感あり。軽い痛みがあるけれど、気にしないようにする。
Hさん(大阪)と一緒に進む。Hさんとは2年前の初Lでご一緒した。独特の風貌、装備はすべて100円均一(途中で調達する、不要になったら捨てる)、100km以上の大会にしか出ない、全国ほぼ制覇。ダンディで知的で尊敬するランナーのひとり。「小川さん、諦めなければ必ずゴールできます」というHさんの金言はずっと私が大切にしている言葉の一つ。Hさんの走法は「巡航速度」という独自のペースがあり、最も疲れないリズムで走り続ける。「小川さんに触発されてWに出ることにしたんですよ」「えー、僕なんか言いましたっけ?」。3日間、途中何度も一緒になった。励ましあった。たくさん話をして、超ウルトラやジャーニーランの魅力を語ってくださった。ウルトラ完走記録が99回。100回目をこのWでとおっしゃっていた。

あぐりの丘からの式見への下りで、いきなり道を間違えた。
Hさんに声をかけてもらって助かった。コースがいつもより随分ショートカットになっていた。

急坂を下ると式見かまぼこ。
M田さん(北九州)が美味しそうに食べていた。
「小川ちゃーん、一緒に食べようよ、焦らんでええやん」
甘い誘いには乗らず、先に進む。M田さんは100kmウォークのスペシャリスト。前回Wは雲仙地獄の関門で制限時間アウトになった。去年リタイア会にて「時計を持っていれば」との嘆き、その後、購入(持って走っていなかったのか!とみんなで爆笑)。一時期体調不良で走れず、昨春もこの春もボラに回ってくださっていた。ついに復帰。朝まで走る会、ぐるぐる走と練習でもご一緒させて頂いた(M田さんはL173kmでリスタートできずリタイア。その後ボラに。雲仙地獄250kmで再開したとき、抱き合って泣いた)。超ウルトラをやる人には、人生それぞれ何か期するものがあるのだと僕は思う。

女神大橋(45km)
手前でU野さんが撮影応援に来てくださっていた。最初のだるい時間帯だっただけに元気をもらう^^(U野さんはP103km)

女神大橋エイド着。予定より20分早いがこれは距離が若干短くなった分。うどん、いなりを頂く。シューズを脱いでふくらはぎ、足の裏をマッサージ。これまでシューズを脱ぐことはしていなかったけれど、今回は超長丁場なので、こまめに脱いでマッサージするようにした(時間はロスする)。
ここまではストレッチ。なんとかクリア。

自宅前(50km)。
社員も応援に来てくれた。有難い。夕暮れになり、長い夜間走と初日の踏ん張りどころ、いつもの練習コース、野母崎半島に入る。

Road to 金龍① 覚悟と準備
http://ogawanoie.jp/blog/2308
Road to金龍③ 一夜目の夜間走(55km〜113km)
http://ogawanoie.jp/blog/2361
Road to金龍④ 茂木〜小浜中継点(113km〜173km)
http://ogawanoie.jp/blog/2396
Road to金龍⑤ 幻覚と復活(173km〜230km)
http://ogawanoie.jp/blog/2410
Road to金龍⑥ 覚醒そして金龍へ(230km〜276km)
http://ogawanoie.jp/blog/2423
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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。