私たちの考え

タマホームの「事前審査で3万円」(過去インスタライブから)

タマホームの「事前審査で3万円」に、私が衝撃を受けた理由

先日、うちの独身スタッフのマンションのポストに、タマホームさんのチラシが入っていました。「モデルハウスに来場して住宅ローンの事前審査を申し込んだら、クオカード3万円分進呈」。これを見て、私は「ついにここまで来たか」と衝撃を受けました。今日はその話をさせてください。

これが意味することは、二つあります

私はタマホームさんの人間ではないので、あくまで25年以上この業界にいた人間としての想像です。でも、この企画には二つの本質が見えるんですね。

一つ目は、住宅ローンが通らない方が、相当増えたんだろうな、ということです。アンケートで1万円ではなく、事前審査の申し込みで3万円。つまり、営業の一番最初の段階で「そもそも住宅ローンを組めない方」をふるいにかけている。極めて真っ当なやり方です。

「買わない人」ではなく「買えない人」がいる

家を検討中で、まだ建てていない人。その人は「買わない」のではなく、実は「買えない」のかもしれません。住宅ローンが下りない、ということです。

でも「私、住宅ローンが下りないんだよね」なんて、わざわざ人に言う人はいません。だから見えにくい。それを、日本トップクラスの会社が、来場の条件として最初に選別し始めた。それだけ環境が激変したということなんですね。

営業マンは、核心に触れたがらない

二つ目は経営側の視点です。この企画で、営業マンの数を相当減らせるでしょう。

営業マンというのは、薄々「この人は組めないんじゃないか」と感じていても、そこには触れないんです。なぜなら、見込み客がいなくなるのが、めちゃくちゃ怖いから。営業会議で「今、誰々さんと打ち合わせ中です」と報告できなくなるのが辛いんですね。だから核心には触れず、なんとなく打ち合わせを続けてしまう。

事前審査を先にやれば、その「触れたくない核心」を最初に片付けられる。だから見込み客がドカッと減るかもしれないけれど、それは本来あるべき姿なんです。

誰が営業コストを払うのか

無料で見積もりをしてもらえる、というのは聞こえがいい。でも、10人が見積もりをして1人しか頼まなければ、残り9人にかかったコストは、頼んだ1人が払うことになるんですよ。だから、そもそも支払い能力がない人に営業してどうするんだ、という当たり前のことなんです。

お客様とは何か——三つの条件

30年近く前、経営コンサルの舘山さんという方から教わったことが、今も私の原則になっています。お客様には三つの条件がある。①価値観が合う人、②支払い能力がある人、③決断力がある人。この三つが揃わないと、お客様にはなり得ない。

特に住宅では、住宅ローンを借りられるかどうかが大前提です。だから私たちも家づくり診断で、まず価値観が合うか、そして支払い能力があるかを確認します。「建てたい」は建たない。「建てます」が建つ。結婚と同じで、「したい」と「する」は違うんですね。

タマホームさんの企画は、あまりに本質的すぎて、思わずネタにさせてもらいました。それでは、今日もよい一日を。

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
  • @LINE

私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。