十勝での現地調査を終えて
私が引き受ける家づくりとは欲望を形にする行為・消費活動ではありません。
一般には、施主の要望や夢、条件を形にしていくのが家づくりです。
しかし私からすると、それは要するに「欲望を形にする家づくり」です。
それが良いとか悪いとかではありません。
ただ、私はそれを仕事にはしない。根本が違う。それはそれで得意な方々にお任せすればよいと思っています。
家を建てる目的
私にとって、家を建てる目的は 子育てのためです。
一般には、家づくりとは自分の夢や理想、自己表現を形にする行為として語られます。
しかし日本のどこかには、「それは違うんだよな」と感じている人がきっといるはずだと、私は信じてきました。
そして実際に、そういう方が存在します。
世の中を見渡せば、
住宅会社・工務店・ハウスメーカー・建売・中古・マンション・アパート
無数の選択肢があります。
それぞれがそれぞれの役割を持ち、それぞれの価値を提供しています。
つまりこれはマッチングです。
木の家はどこでも建てられます。わざわざ小川に依頼する必要はありません。
子育ての家でなくてもいい。
そういう方が求めているものは、私たちが届けるものとは質的に異なるのです。
これはどちらが正しいとか良いとかの問題ではありません。
単に、大切にしているものが違うのです。
私はずっと前から「もし自分がお客さんだったら」という視点で考えてきました。
こんな家だったらいいな。
こんな暮らしができたらいいな。
こんな子育てができたらいいな。
そしてそれを、丸ごと任せられる会社や担当者がいたらいいな。
その理想を、商品・サービス・仕組みとして具体化し、提供することを続けてきました。
セールスはしません
相談者から「中古でもいいんです」
と言われたら、私はこう答えます。
「だったら中古で、以上。」
私は20年間、依頼ベースで仕事をしています。自分から営業はしません。
「家を建てませんか?」とは言わない。
なぜなら、私が扱う家づくりとはそういうものではないからです。
だから、依頼がまったくない時期もあります。何ヶ月も続くこともあります。
逆に重なることもあります。
「約束する暮らし」を求めてくださる母親が日本のどこかにきっといる。いつどこで出会えるのかは分からない。
それでも、その人に出会うために、役立てるように、毎日ベストを尽くしています。
何気なく流れてきたインスタの画面に子育ての家が、小川が現れる。
そして「なんじゃこりゃ」と、ある意味衝撃を受ける。
そこから
真剣に考え始める。
ここでいう「真剣に考える」とは、
どんな家がいいか
どんな間取りがいいか
どんな設備がいいか
いつ買うと得か
校区はどこか
そういう話ではありません。
そんな次元ではない。
真剣に考えるのは、
どんな人生を生きたいのか。
どんな暮らしを望んでいるのか。
自分にとって大切なものは何か。
どんな子育てをしたいのか。
目の前の現実と向き合うことです。
正解なんてありません。
「自分はこう感じる」
それしかない。
それを素直に信じて生きる。
それが自分の人生を生きるということです。他人の人生は生きられません。
私は家づくりを通じて人生を扱っています。医者が命を扱うように。
同時に、住宅という社会インフラを扱っています。
だから責任は重い。
住宅会社や設計士が
施主の言う通りにするのは、
責任を負いたくないからではなく、責任を負えない領域だからです。
ものづくりの保証や責任はある程度明確です。
しかし
人生や生き方には基準がありません。
どんな思想で生きるべきか。
そんな責任、普通は負えません。
お客様はよく言います。
「小川さんだから」
でも私は思うのです。
小川の何を買っているのだろう?
私は自分の人生を自分で生きています。
失敗もたくさんします。
でもその経験からたくさんの気づきがあります。
感じたこと、わかったことを発信する。
生きるとは何かを
ずっと考え続けている。
ある意味、私は自分の生き方を売っている。
思想を持ち、それに基づいて生き
それに基づいて仕事をしている。
理論ではなく実践です。
子育て優先という旗
子育て優先に辿り着いて
20年以上になります。
依頼がない時期もありました。
何ヶ月も続いたこともあります。
それでも
子育て優先の旗を下ろしたことはありません。
私の経営哲学の一つに
「事業動機善なりや、私心なかりしか」
という言葉があります。
京セラ創業者
稲盛和夫さんの言葉です。
家づくりの目的が善であれば、
必ずうまくいくと私は信じています。
子育て優先は善
子育てのために家を建てる。
これは
美しすぎる動機です。
子育て優先は善です。
子育て優先の家づくりという事業も善です。
だからこそ
ピンチがあっても
チャンスに変わり
進化してきた。
今があり
明日があります。
子育て優先は善。
そしてそれは
幸せスパイラルです。
自信を持って
子育て優先で生きましょう。



