子ども・子育て支援活動助成金制度の終了について〜未来の選択〜
子ども子育て支援活動助成金制度を終了するという判断をしました。
利用して頂いた方々に、結論だけではなく、
結論に至る経緯とお詫びを伝えるべきだと思い、
レターを送りました。
先方から感謝のお手紙とお菓子が届きました。
涙出ます。
もっとできたのではないかと思いますが、
やっぱりええかっこしいはよくない。
ダサいけど、これが自分の実力。
でも、やってみてよかったです!
以下、私が送付させていただいたレターをそのまま転載します。
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2020年5月11日
助成金を利用してくださっている方々へ
子ども・子育て支援活動助成金制度の終了について
前略
日頃より弊社助成金制度を利用して下さり有難うございます。
表記の通り、残念なお知らせです。
振り返ると2014年12月末に「社会にあれこれ要求せず、自分で、自社で、できることをやろう」と思い立ち、当該制度を設立しました(2015年4月開始)。
当時の申請には「ハロウィーンパーティでのお菓子代を」というものもあり(対象外としてお断りしましたが)、申込みを頂くたびに、困っていることは何か、当該制度の理念や目的は何か、我々にできることは何か、柔軟に対応するよう心がけてきました。
至らぬ点、力不足の点が多々あったかと思います。この場を借りてお詫びします。
おかげさまで、当該制度の利用実績は、述べ168回、19団体、利用してくださった母親やお子様、赤ちゃんの数は把握しておりませんが、1回8組16名としても2,500名以上。助成させて頂いた費用は総額130万円です。ご利用頂き、継続できたこの事実は、主催してくださる日々子育てに寄り添っておられる皆様方のご尽力のおかげです。心より感謝と御礼申し上げます。
ご承知の通り、新型コロナウィルスの影響により、助成させて頂いた活動も殆どが休止となりました。弊社も社会情勢を鑑み、当面の間、助成金の支給は休止させて頂きました。
コロナ禍により、多くの民間企業や組織、事業主が様々な営業活動の自粛を迫られ、協力金・助成金・給付金・緊急融資申請に殺到する姿を見るたびに、コロナ禍の影響がどこまで拡大するのか、深刻化するのか、私にはまったく想像もつきません。
他方、弊社の子育て優先の家づくり事業は、このコロナ禍においても、特に影響を受けることなく、これまで通り、仕事をさせて頂いております。有難いことです。
とはいえ、会社は社会あってのものだと思っています。これからどういう社会になっていくのか、どういう社会をつくっていくのがよいのか、私にはまったくわかりません。が、ここは一旦、立ち止まって、現状をすべて見直す機会である判断しました。
ここでいう「見直し」とは、私自身と弊社が「ええかっこしているのではないか」「身の丈を超えているのではないか」「真に我々がやるべきことか」という自分自身、自社に対する問いです。当該助成金に限らず、いったん、増えたものや責務を減らす、やめる、手放す(例えば、社用車を減らす)ことに決めた次第です。
外出自粛要請の中、公園で遊ぶ子どもたちや母親に対する、世間の冷たい視線。我々は「公園で遊ぶな」ではなく、「子どもがいつでも自由に安心して遊べる公園を増やす」ことに向かうべきだと思います。
当該助成金の対象としている活動のほとんどは、密室育児、母子密着の解消を目的としたものにシフトしていきました。それらは社会課題であり、その解決の一助となる行為は、社会的に意義があると判断したからです。
そのような活動の助成をやめるのは、ありたい社会像とは矛盾します。しかし、上記の通り、私と弊社の実力では、これから(すでに始まっている)強烈な大不況とそれに派生する社会不安という経営環境下において、この制度を継続することは、身の丈を超えます。
自粛要請の解除後に、弊社の助成金を前提として、活動を計画されていたかと思います。大変申し訳ありません。これまで利用して下さりありがとうございました。皆さんから毎回届く活動報告、笑顔の写真に勇気と希望をたくさん頂きました。
当該助成金制度は終了しますが、この国が、子どもを産み育てやすい国になるよう、笑顔で母親と子どもたちが心身ともに健康に、子育てできるインフラが整備されるよう、今後とも協力しあって尽力していく所存です。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
草々
株式会社小川の家
代表取締役社長 小川勇人
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追伸:
私は家づくり診断と家づくりの過程において、相談者や依頼してくださったお客様に「荷物を減らしましょう」「身の丈に合わせましょう」という説得作業を度々しています。なぜかというと、両手と背中が塞がっていては、次のものは手に入らないからです。望む未来をつくるため、選択するために、荷物を減らす、ええかっこするのはやめる、一旦手放す、などが必要だからです。望む未来を実現させるために、その作業をする人は、やはり、望む未来を実現させていきます。私も次のステージに進むために、ありたい未来を選択するために、助成金制度をやめるという選択・判断をしました。