福岡大学講師〜ブランドとはつくり手のこだわりが顧客に認められたもの〜
6/14(木)福岡大学商学部にて非常勤講師を務めさせて頂きました。
非常勤講師もかれこれ15年以上。
激動の時代に、お声をかけ続けていただけることに感謝。有難いことです。
今年の依頼は2コマ
①表現する力を鍛えるプログラム
②ソーシャルイノベーション
私に与えられたお題は
①表現する力を鍛えるプログラムでは
ブランディングの話を、小川の家を実例に
②ソーシャルイノベーションでは
思考の壁、認識の壁、常識の壁など、
新しいことに対して、そして阻止的に働く壁について
小川の家での実例を紹介しながら解説する
正直、ものすごくハードル高いお題です。
ブランディングの話をするということは、
そもそもブランドとは何か
を定義する必要があります。
学生(受講生)の皆さんに、それぞれ「ブランドとは何か」を質問してみる。双方向のやりとりから、ここでいうブランドとは何か(なにではないか)について、概念(認識)を共有していく。
小川の家に対して
「ブランディングの話を実例を交えて話して欲しい」
と大学教授から講義依頼があるということは、
小川の家には、いわゆる、小川の家というブランドがある、ということ(社会的評価)になる。
ブランドというのは、1日でできるわけではない。
しかも、ブラントとは、自分たち(つくり手、売り手)が「これがブランドです」といって造り出せる物ではない。
作り手が、売り手が、創造して、製造して、販売して、顧客(消費者、社会)に提供してきた商品やサービスを通じての価値が、顧客から「ブランド」として認められて初めて、ブランドが誕生する。
つまり、ブランドがあるかどうか、それがブランドかどうかは、お客様(外部)の人間が決めることであり、われわれ提供者が決めることではない。
学生さんとのやり取りの中で、たしか、
「どうやってブランドを守ってきたのですか」
「ブランドを守ってきたから、いまブランドがある」
という話があった。
ブランドを守る、という意識や判断でなにかをしてきたことはない、と応じた。
そのときにはうまく答えられたかどうかわからないけれど、ここ数日、ブランドとは何か、ブランドを守る(失う、毀損する)とはどういうことなのか、ずいぶん考えた。
私が心がけ、実践してきたことは、
自らが掲げた約束を守る、果たす、
自らの価値観、信念、信条に従い、
一貫して、それに徹して、実践、継続し続けること。
これが結果的に、月日とともに、実績が伴い、重なり、その一貫性を社会(お客様、消費者)が評価してくださり、それをもって「ブランド、信頼」に至っているのではないかと考える。
信頼と実績
といっても、業歴が長いからといって
その企業に「ブランドがある」わけではない。
ブランドに至るかどうか、なりうるかどうかは、品質、価値基準を誰が決めているのか、にかかっている。
顧客が決めた物事を、その通りに作る、これはこれで一つの信頼と実績の型。
他方、いわゆるブランドとは、造り手側が、何かを掲げ、それを具現化して世の中に商品やサービスを通じて、どうですか!という形で世に問う。
何をどうやるか、なぜやるか、いくらで売るか、すべて造り手側が決める。
外せば、つまり、社会に、対象とする顧客に受け入れられなければ、ブランドにはなり得ないし、たとえ、ブランドとして認められたとしても、提供する価値(商品サービス)が受け入れられなくなれば、ブランドは失われる。
ブランド構築にはものすごい時間と労力が必要となるが、ちょっとしたことで失われてしまうのも、ブランドである。
とはいえ、長年かけて培われたブランドというのは、やはり地力がある。ゆえに、ミスや失敗を犯したとしても、再構築して、立て直してくる。50年、100年続くブランドというのは、幾多の試練を乗り越えて、洗練、強化されていくのだと思う。
ブランドとは
つくりてのこだわりが
顧客に認められたもの
といえるのかもしれない。
それにしても、毎度のことですが、学生さんとの濃密な90分2本の真剣勝負は、私に新たな気づき、学びの機会を与えてくれて、ホント、有難いです。
後期も呼んでいただけるようなので、またしっかり全力で向き合います。