「私も解放され、息子も解放された」~最終回~
しかしながら合流した私達に待っていたのは
息子のさらなる周囲への拒 否反応。
事務所に入ることはおろか、
車からも降りずに泣き叫び、
事務所の打ち合わせに同席することはなく。
会社から帰宅する主人とも話す時間すらなく、
投げ出してしまいたい位辛かったが、
それでもこうして家が出来上がったのは、
小川の家のバックアップのお陰である。
色々悩んだり諦めたりした部分もあるが、
(小川の家の)熱い説得にかける思いで
最終的に場所も大きさも設計もお任せする形になった。
今住んでみると、さすが考えつくされたプロの仕事である。
暮らしてみて、こんな次元の生活があったのだともう驚くばかりである。
途中で諦めたり、投げ出さなくて良かった。
転勤のリスクなんて生活のリスクから比べたら、
もはやどうでも良い気がした。
特筆すべきは千代の幸。
自然と調和した街並、HPでは本当に!?と思った目と手を離して
遊ばせられる環境は真実だった。
あんなに家に他人が入るのを拒否していた息子が
(引っ越して)3日目で友達を家に迎え入れ、
事務所の周りに虫をおいかけ、どんぐりを拾い、
(千代の幸に住む)お兄ちゃんお姉ちゃんと駆け回って遊んでいる。
そんな息子を見て本当に嬉しい。
息子の変化に私もだが周囲も驚いている。
私も解放され息子も解放されたのだろう。
そして周囲のみなさんの温かさが
とても新しい地に引っ越してきたとは思えない。
精神的に私も安定することができた。
この場所と巡り合えた事は我が家にとって本当に幸運だった。
主人を動かすということに私は奮闘することはなかったので
多くの方の参考になるかはわからない。
唯一主人には我家の現在の経済状況と将来予定を簡単に表にして話をした。
私達の為に大きな決断をすぐにしてくれた主人には、
深く深く感謝している。
子供の為も勿論あるが、
自分が駄目になってしまいそうで
何かを変えたかったというのが突き動かした最大の要因である。
私が元気でないと、子育ても楽しめないと考えた。
私は回り道をしてしまったが、
迷っているなら悩んでいるなら実現の為に何か行動してほしい。
万一があっても無理のない範囲で建てる小川の家だから。
万一があっても手放したくない程次元の違う生活だから。(笑)
最後になりましたが、
小川の家の皆様、
施工関係の皆様に心より御礼申し上げます。
私達に合う設計をして下さり、
丁寧に施工して下さった家を
愛着をもって手入れしていきたいです。