子育て優先の家づくり

心のニーズに対応する

私は、「~駅から徒歩10分以内、敷地60坪、40坪、4LDK、オール電化、シンプルモダンで自然素材の家が欲しい」というニーズに対応するのではなく、「家族仲良く健康に暮らしたい。子どもを心豊かに健康に育てたい」というニーズに対応しています。

前者は物質的(モノ)なニーズですが、

後者は心(価値)のニーズと言えます。

日本全国にある殆どの住宅建築会社というのは、物質的(視覚的)なニーズに対応すべく、日々取り組んでいますが、私たち『小川の家』は、10年近く前までは他者と同様、物質的なニーズに対応していたのですが、「その先はどうなる」を深く考えたとき、モノのためのモノづくりの行き詰まり、限界を認識しました。モノ(家)づくりとは、家族の幸せな暮らしのための手段であって目的ではないのだと。

とはいえ、家を建てたい=モノが欲しいという先入観や感情、浸透しきった概念を「家づくりは目的ではなく手段ですよ」ということを正しく理解していただくには多大な労力が必要です。さらに、仮に正しく認識してもらったとしても、各家庭が直面する実際の住宅取得・家づくりの過程において、物質的な欲求をコントロールすることは苦難の連続でもあります。

どこの住宅会社も家づくりは手段であるということを認識しているはずですが(経営理念などに家族の幸せを掲げている)、実際には目の前のお客様のニーズというのは視覚的、物質的な要求ばかりですから、それに対応せざるを得なくなります。おそらくそれを「理想と現実」という括りで扱ってしまうのでしょうが、家族(顧客)の真の幸せのために、プロとして導き、仕事をすることは、理想ではなく現実であるべきです。

私はずっと前から「小川さん、あなたの理想はいいから(必要ないから)」と言われ続けてきました。私としては「いや、理想じゃなくてあたり前のこと(家族が健康で幸せに安全・安心して暮らせる家を提供する)をやろうとしているだけ」という認識でした。

理想云々ではなく、私は単に本来あるべき姿に向かって、愚直に取り組んでいるだけです。それを世間が「理想」と評するかどうかは私には関係ありません。私にとっての現実とは、顧客の資金力、社会経済情勢の変化や利害関係者の調整、法令制限など、目の前の個別具体的な問題に対処するということです。故に、私にとって理想と現実とは相反するものではなく、車の両輪です

心のニーズに対応する

私たち『小川の家』が提供するのは、家族の心豊かで健康な暮らしですから、あとはその実現に向けて、各顧客の想いをどれだけくみ取って、その家族のためにどれだけ質の高い仕事ができるのか、が問われ続けるのだと思います。

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。