子育ての家

障害のある子を育てながら働きたい母親が働ける環境をつくるのは法ではない

今朝、NHKで障害のある子を育てながら働きたくても働くことができない母親の特集がありました。

当社の従業員の中にも、発達支援が必要な子どもを育てながら、働いてくれている母親がいます。発達支援なので、生まれた時から、障害がある、というわけではなく、発達、成長の過程で、支援が必要だということがわかってきたわけです。

パートですが、入社(面接・採用)時には、そのことは分かりませんでした。彼女は、産休育休に入る正社員の業務引き継ぎの募集に応募してくれて、採用。二児の母です。二人とも未就学児で保育園に預けながら。

発達支援が必要というのは成長に伴ってそれがわかってくるわけで、保育園での扱われ方も変わってきました。要するに、いわゆる普通の子と同じような保育ができない(保育をしてもらえない)。保育士の人員配置も違うし、コロナやインフル、発熱や体調不良時の扱われ方、復帰の日数も条件が厳しくなります。要するに、働きたくてもシフト通り働けないわけです。

発達支援が必要な二人の子どもを育てながらの、炊事掃除洗濯家事です。ご主人がご実家の協力があるとはいえ、やはり主は母親です。彼女が全てを担っている。

育児に専念すればよいではないか、という考え方や選択があることも事実ですが、彼女は働きたいわけです。社会との繋がりを持ちたい。

さて、どうするか。

社長としてどうするか。それ以前に、人としてどう向き合うか。この1年半、毎日の課題です。

最初は、週4、1日5時間の契約を、週3に減らし、負担を減らしました。さらに勤務時間を9:30〜16:30を9:30〜15時にしました。彼女に一人の時間という余白を与えるためです。

仕事→保育園→バタバタとスーパー→家事炊事から、仕事→一人の時間→保育園という形にしたのです。収入は減りますが、心に余裕ができます。余裕ができれば、心身の体調管理ができます。そうすると、家族の健康管理もできるし、病気や体調不良の日々を減らせる→欠勤(病欠)の日を減らせる、となる。

育児介護休業法があります。就業規則等で、規定、制度を細かく設けている会社はたくさんあります。読んだことありますか?社労士が作成する標準的なものを。私は読みました。読んでいて、吐き気がするぐらい、冷たい。クソみたいな制度、規定ですよ。愛情がない。

働いてくれる人はそれぞれ事情が異なるし、その事情も変化する。だから柔軟に考えて、それに対応していく、その解決策、打開策を考えるのは社長の仕事です。働かせ方はトップが決めているわけですから。

当社の従業員はわずか数人です。そのうちの一人が欠けるわけです。でも、創意工夫ですよ。業務をさらに因数分解して、スラック活用して、あれこれ捨てて(←これ、一番重要)

子育ての家って社名を変えて、それ以前も、つわりの社員への対応など、ありましたけど、子育ての家で働いてくれる従業員の子育てに寛容じゃないなんてのは、道理が通らない。

営利企業なのでお金を稼ぐことは不可欠ですが、お金を稼ぐために会社が創業され、存続するわけじゃないんですよね。

労働者も働かないのに給料欲しいというのもおかしな話ですが、働きたい、働ける範囲、できること、努力・訓練すればできることを身につければ、方法はある。そういう方法がまだないというだけで、方法、解決策は生み出せる。そしてそれはAIにはできないであろうこと。だって、情がないと、できないから^^

で、シフトや就業時間、給与計算云々が面倒くさい(ここに命を使っても顧客・社会価値は1m mも産まない)ので、ガッツリ決めました。パートは水曜日は休み。ワークタイムもほぼ同じ。さらに残業云々も面倒なので、18時(残業しない会社)にしました。それでできる範囲でやりますし、実際に、労働時間が短い企業ほど、業績も良く何より給料が高い。
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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。