子育て優先の家づくり

何かを犠牲にしなければならないとしたら、それは安全性か?目先の売上か?

今から20年ほど前に「子育て優先の家づくり」を掲げました。

住まいに対する考え方、および、家づくりに関する基本的な思想を転換したのは、この4冊を読んでから。それまでは部屋数が多くて、広くて、室内はピカピカして、外観もかっこよくて、最新設備が充実した家を、出来るだけ安くつくって提供することが家族の幸せな人生に繋がるマイホームだと思っていました。

一方で、なぜこのような書籍が世の中に出版されたのかというと、上記のような物差し、価値判断基準、優先順位で住まいを作って来たことによって、そこで暮らす人間の、とくに、母親と子どもの心身の健康被害が、様々な形で社会問題化してきたからです。

良かれと思ってつくっていた、良かれと思って買っていたものが、実は、別の視点で見ると、非常に危険なものだとわかってきた。

不器用な性格も相まって、私は子育て優先の家づくりに徹するというか、それ以外のことがしなくなりました。できなくなったという方が正確かもしれません。

小川の家の、子育て優先の家づくりは、常識的な住宅、従来型の住宅、家づくりとは根本から違いますので、受け入れていただき、家づくりを任せていただくことは容易ではありませんでした。例えば、食材。オーガニックな食品が良いと、仮にわかったとしても、じゃあ、それにお金を支払うかというと、やはり、安い食材には勝てなかったりする。食材など、昨日はレトルト、今日はオーガニックという使い分けが可能ですが、マイホーム購入となると、そういうわけにはいきません。

仕事は暇な時もあります。暇な時は何をするかというと、学習の時間だと思っています。これからの時代、社会には、どういうものを商品・サービスとして考案・提供して行く必要があるのか。インプットと合わせて、ゼロベースで見直す時間でもあります。これは実はものすごく大事です。バンバン売れるとそれはそれでよくないです。振り返りとか、立ち止まる機会がないというのは、致命的なミスを犯す可能性が高くなってしまうからです。

書棚を整理していて、改めて、読み返してみる。

ここには子育て優先の家づくりの原点がある。

何かを手に入れようとすると、何かを差し出す必要があります。
ジュースを買えば、財布からお金が出て行く。
財布にお金が入っているのに、お金を使いたくないからといって、餓死を選ぶ人はいないわけですが、こと、住まい、とくに、子育ての住環境選びに関しては、それをやる人はいる。

働いて稼ぎはあるけれど、子供がのびのび健康に暮らせる、育つために、お金を使いたくない、というリアル。子どもの心身の健康は犠牲になっても構わない、というリアルな生き方。それがいいとか悪いとかではないのですが、その人、その夫婦の生き方なので。でも、知っていて、それをするのかどうか、これはちょっと意味合いが違うかなあと思います。

私がビニールクロスなどの新建材を使わないのは、それがシックハウス症候群の原因になると「知ってしまった」からです。少なくとも、自分の仕事として、悪いとわかっているものでも、お金になるからという理由で、仕事を引き受けることは、私の職業倫理として、できない。室内を細切りにしないのも同じです。親子のコミュニケーションを断絶するような装置はつくりたくない、のです。

今年も残り1ヶ月ちょっと。いろんなご相談をいただきます。有難うございます。来年以降の未来のために、年内に、一歩でも、半歩でも前進してはいかがでしょうか。じっとしていても、神様が笑顔で子育てできる、家族が心身健康に暮らせる家を、届けてくれることはありえませんから。

家づくりのご相談は info@ogawanoie.jp またはお電話にて0120-178-885 まで

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。