資産価値が低くなるのは施主がこだわりすぎるから
「セレブですか?」
マイホーム購入、家づくりに関する要望を伺っていると
「セレブですか?」と尋ねたくなるような方がいらっしゃる
日本は欧米と比べて中古住宅の流通が低いと言われています。要するに、売ろうとした時に、買い手がつきにくい、あるいは、希望価格で売れない、のです。
原因は3つあります。
1、元が注文住宅の場合、元の施主の個性が反映されすぎて、それ以外の方のニーズに合わない
2、間仕切りが多すぎて、構造が複雑で窮屈になり、使いにくい(建売も)。
3、注文住宅の場合、建物が大きすぎる
1の原因は、施主のこだわりすぎ= オンリーワン建築
2の原因は、部屋数重視。
3の原因は、広さ重視と立派な家志向
いずれに場合も、 構造が複雑になるため、リフォーム、 リノベーションする際にも,コストが余分にかかるので、さらに元の価格が低く抑えられる (評価が下がるのは仕方がない)
こだわって、広くて、最新の設備で、立派な家、が必ずしも悪いわけではないのですが、いわゆる庶民の住居=マイホームと考えた時、 それはやりすぎではないか、と思うわけです。それは売却に限らず、長期的なメンテナンスコストや地球環境への負荷を考慮して、 という意味です。
それではなぜ 、あいも変わらず、こだわった、立派な家、 が住宅産業のメインであり続けるかというと、二つの相思相愛があります。
一つは、消費者は立派な家を求めている。ネットの情報がより多く入手できるようになり、要望=こだわりはさらに増加しているから。要望は減らずに増えている。
二つに、作り手側は、一生に一度のお客様の要望はできる限り叶えたいし、叶えれば叶えるほど、建設費が増えるので、売り上げも増える。 数年前の新聞報道によると、積水ハウスの建物平均単価は3700万円。その数年前は3000万円ほどだった。
一方で、賃貸住宅の品質はどうなっているかというと、レオパレスやダイワハウスの大規模な不正工事により、多くの被害者が出たことが示す通り、 キレイでピカピカ、設備充実はしているが、肝心の安全性や快適性は犠牲になっている。これもまた、不動産オーナーはできるだけ安くつくって高く貸さないと儲からないし、 企業側は、家賃30年保証もあるのでその部分も含めて、利益を先取りして儲けを出しておかないといけないので、徹底的に安く作る、 売上ノルマと合わせて手抜きや不正工事が組織的に生じてしまう。
小川の家の子育て住宅は、「 そんなにこだわらなくても良いのではないでしょうか」 というスタンスです。子育てが終わった後、 そのまま住み続けるもよし、売却する場合にも施主の個性に合わせすぎにず標準化しているおかげで次の買い手に取っても使いやすい、 買いやすいように設計されています。したがって、 資産価値も落ちにくい。
例えば、車。新車の段階からオプションだけでなく、カスタムオーダー、改造している車というのは、費用は多くかかりますが、中古車として 売りに出す、下取りになると、改造すればするほど、お金はかかっているが、中古車の価値は一気に落ちていきます。
そして、最後にもう一つ。
こだわるべきところにこだわらず、こだわる必要のないところにこだわっている。妥協すべきところと、 そうではないところを間違う。
何れにしても、本人が安全、安心、快適に暮らせる家であれば、 ほとんどの場合、 他の方も 住みやすい。こだわりすぎないことをぜひ意識されてください。こだわればこだわった分だけお金がより多く必要になります。こだわった家を住宅業者に安くつくらせようとすると、あなたが知らないところで品質が犠牲になります。そして犠牲になる品質の部分というのは、肝心要も重要な部分だったりする。
ちなみに、欧米の個人住宅のほとんどは、注文住宅、という仕組みがありません。建売または企画住宅であり、中古時には買い手が中をリノベーションすることを前提に作られています。