「子育て」を優先する勇気-49対51の判断
嫌われたくないが、プロとして誠実に向き合うべきではないか。
安いに越したことはないが、安モノを提供するためにやっているわけではない。
判断とは、要するに、ギリギリのところで、
優先順位をつけることだと思います。
明確に順番が付けられるのであれば、それは判断が不要なだけで、苦脳も葛藤も思考すら生じない。
単なるよい家づくりではなく、
「子育て優先」の家づくりをあえて掲げるのには、苦難の背景があります。
掲げるだけでなく、実践、実現するにはより困難が生じます。
利便性、低価格神話を何となく洗脳されてしまっている現代社会人にとって、「子育て優先」を軸として、ひとつずつ今までの暮らしや考え方、とらえ方を見直し、再構築していく作業というのは、決して容易なことではありません。
子どものことを考えつつ、芯の部分では親の安易さ優先の生き方(子育て)をしている夫婦にとって、小川の家は「良い家」に映れども、核心部分では、(親にとっての)有形無形の不都合が生じるため、子育てに良いとは判断されない。
すべての相談者が、様々な要望を私に投げかける=要求する。
ひとつひとつは、分からないでもないものばかり。
中には、私もそうありたいと思う内容も見受けられる。
つまり、49対51なのです。
すべてを得ることは不可能ですから、
「どちらか」を優先(=後回し)にする判断を迫られます。
その判断で、これからの人生が決まる。
しかし、判断の物差しには、当人の「今まで」の生き方がどうしても反映される。
P.F.ドラッカーは著書の中で優先順位についてこう述べています。
優先順位の分析については、多くのことが言える。
しかし、優先順位の決定についてもっとも重要なことは、
分析ではなく勇気である。
仕事の哲学 ダイヤモンド社刊 p173
分析だけなら何とでも言えるわけですが、
順位を決定するには勇気が重要なのです。
「子育て」を優先する勇気。
いろいろシミュレーションしたり、イメージしたり、損得勘定をはかったり、と分析重視に陥りがちですが、「子育て」という未知なる世界を勇気を出して優先する。
先週末、大阪府にてK様宅(小川の家77)が無事完成・引渡し。
子育てを勇気を持って優先したK様家族には、明るく健康的な日常はもちろん、Kさんご夫婦&子育て優先の住環境で育てられる子どもたちもきっと希望を抱けるような人生につながっていくと信じています。