子育ての住環境

引きこもりの5割は40歳以上

私は昭和48年生まれ。もうすぐ44歳です。
社会課題として「引きこもり」が認識され始めた最初の世代です。
いわゆる団塊ジュニアなのですが、我々の世代がどのような住環境で育ったかというと「マイホームを建てて、広い子ども部屋を与えたい」。つまり、4畳半や六畳ひと部屋を子ども部屋として与えられた世代です。
ざっくりいうと、快適な引きこもり部屋を与えて頂いたわけです。物理的に引きこもることが快適な、許される住環境をしっかり親から与えられている。エアコンもテレビも、ミニ冷蔵庫も、ネット環境もあるわけです。
長期間の引きこもりの要因は住居だけにあるわけではありません。とはいえ、実際問題として、そういうスペースが幼少期から与えられている現実があるわけですから、大人になって、ましてや中年にもなって、そこから出てきてコミュニケーションをとる、というのは現実問題として極めて困難です。

引きこもりとはいえ、社会に対してなのか、親子間、家族間に対してなのか、それはわかりませんが、少なくとも家族の気配が伝わるような間取り、コミュニケーションが自然ととれるような間取りの住居で育ち、暮らしていれば、親子間のコミュニケーションはとれるのではないかと思うわけです。(個室化し過ぎることを懸念して、ドアを開けておくようにしたなど、何らかの対応をしていた、という話はよく聞きます)

こういう事実を突き付けられると、やはり、過度に個室化した間取りの住宅を提供することはできないなあと改めて思います。引きこもりが本人、家族にとって、前向きなことであれば、よいわけですが、そうではない解決困難な困りごとであるならば、やはり、つくり手としては、そのような原因をつくってはいけないと考えるからです。

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。