10歳の旅③試練
~「続きはどうなったの?」と聞かれ(苦笑)、サボっていた旅行記をアップします~
二日目:吉田ルート五合目から午前8時に入山。
天候は小雨+強風, 気温15度。予約した宿(山小屋)は本八合目。
そこまで1時間に1箇所程度は山小屋がある。
何かあれば、休憩や避難もできるはず。ということで、ゆっくり歩き始める。
30分程であっさり6合目に到着。
そこから上を眺めると、雲がかかっていて何も見えない。
いよいよかあと、なんとも言えない緊張感。
登山者は殆どいない。富士登山道は貸し切り状態。
強風を避けるために、土手の際を歩く。
高度が上がるにつれて、風はさらに強くなる。
高山病対策で、息子にこまめに水を飲ませる。近場の山ではすぐに弱音をはく息子だか、今回は黙々と歩く。
雨も強くなり、体が冷えてきた。
今回購入した装備のひとつである防水グローブもなかなか活躍してくれる、と思った頃、ジワジワとしみこんできて、指先が冷えてきた(もっとしっかりしたものにしておけばよかった)。
入山から1時間半ほど経過して、7合目に到着。
山小屋の前で「チャイでもどうぞ@200円」と声をかけられたので、休憩することに。
「(山小屋の)なかで飲んでもいいんでしょうか?」と尋ねると
「ココア@400円なら」ということで、ココアを2杯注文し、中に入る。
長椅子に座り、レインウエアを脱ぎ、防寒用のフリースを着込む。
濡れたグローブを拭いて、軍手をつけ、防水グローブをつけなおす。
20分ほど休憩して出発。
悪天候のため、登山者は殆どいない。
山小屋の人によると、本八合目まで通常2時間半だとか。
風雨はさらに強くなり、視界も悪くなる。というか、何も見えない。
30分おきぐらいに山小屋はあるが、宿泊者以外の休憩はすべてNGとのこと。
さらに1時間ほど登ると、シャレにならない風雨になってきた。山小屋とトイレの間で風雨をしのぐ。
見上げるとさらに厳しい感じだったので、トイレ小屋の中へ一時退避。
なかに入ると「休憩しているのを見かけた場合には宿泊料を徴収する」との張り紙。
悪天候で一時的に避難しているのだが、そういうのも含めてNGという意味だと解釈。外に出る。
もう少し待てば、天候が回復するのか、逆に、もっとひどくなるのが、判断できない。
風が少し弱くなったところで、登山再開。
大人でも気を緩めると、ぐらっときそうなぐらいの風。
低姿勢で岩場を登る。
ひでえ親だなあと反省したところで、もう遅い。宿までどうすれば無事に辿り着くことができるか、それに集中することに。
そこからさらに1時間。
山小屋はいくつかあったが、どこも休憩NG。
さすがに息子も「まだ?」「まだ?」という。
次の山小屋のところで、休憩しよう、ひとつひとつ行こう、と励まして、もう嫌だなあと思った時、視界に神社と山小屋が見えた。
看板には「元祖室」。
本日の宿に到着!
登山開始から4時間。
吹きっさらしの荒天の中、1000m近く登りました。
チェックインは15時からでしたが「こんな悪天候の日に、よく登ってきてくれました」ということで、まだ正午でしたが、宿に入れて下さいました。
思わずここで、ぐっときて泣いちゃいました。
よく頑張ったし、なんとか無事にたどり着けたので、ホッとしました。次回へ続く。