家庭=「家+庭」ではなく、「家×庭」である
「土(つち)を触ったら、ダメ!」
子どもが日常、手に触れているものはなんでしょうか。
親の肌、食べ物、紙、とくに「日常の遊び」の中で触れているモノと?
おそらくその殆どがプラスチック(ゲーム、テレビ、おもちゃ)の冷たく無機質なもの。
「自宅」では、例えばハイハイはビニール系のクッションフロア、合板あるいは木目調のフローリング。つかまり立ちの相手である壁もビニールクロスか、コンクリート。「ぬくもりを実感できるモノ」といえば、木の積み木ぐらいでしょうか。
「砂場」も減らされている。
街も住環境も校舎も園舎も鉄、ガラス、コンクリート、アスファルトジャングル化され、「ぬくもりを感じる物質」とは無縁の環境下で育っていく。
様々な社会問題の内、母親や子供、赤ちゃんを守れ!といわれる対象とは、その影響が「取り返しのつかない深刻な問題を引き起こすもの」となる。
少なくとも健康被害に関しては、
30代、40代の男性を○○から守れ!なんて、ありえない。
あるとすれば、深刻化する「職場の心の悩み」でしょうか。
単に、成人男性は「体は丈夫」で「自力で何とかできる」からです。
子どもを守れ!
は、時に大人のイメージアップなどに利用されることもあります。
しかし、そもそもの背景には、幼少期の子どもは、自分で守る力や判断力がないから、親、大人、社会が’優先的に’守ってあげる必要がある、ということだと思います。
子どもを日常的に、土に、木に、自然に触れさせるために(行政や政治家に対して)社会環境を改善して下さい!と要望することは大事です。公営団地も庭のある一戸建てにしてください!も「要望は可能」です。
しかし、朝晩で成長していくわが子の時間を考えると「待ったなし」。親の責務として、自分で環境をつくってあげるしかない。
今朝このブログを書いている最中までは
家庭=家+庭 と考えていました。
ちがいますね、
家庭=家×庭 です
子供の健やかな成長には、家庭が欠かせない。
家庭=家×庭が不可欠です。
時代、社会背景に拘わらず、
庭も家も家庭もない環境で育った人間は、
長い人生における様々な局面で自身に原因がない、
見えない、解決困難な問題が生じるのではないでしょうか。
だからこそ、目先ではない本質的な意味を込めて、先達から「家庭が大事」と代々語り継がれているのではないでしょうか。実践するかどうかは、親としての生きかたの問題ですが。