初めての方へ

ご縁がなかったわけではない

ご縁がありました
ご縁がなかった

私は「これはもう何かのご縁があったというしかない」というときに、プラスの意味で、感謝の意味で、ご縁という言葉を使いますが、「ご縁がなかった」という表現は、基本、使わないです。

仕事に関していえば、個別相談を受け、家づくりの条件が合わなかった、家を建てることをやめた、住宅ローンを貸してもらえない、マンションを買うことにした、今のままでよい、内緒の借金が発覚した、離婚することになった、そもそも夫婦間で認識が一致していないことが判明した、という理由で依頼に至らなかったからといって、それはご縁がなかったということではなく、単に、そういう理由で依頼がいま、成立しなかっただけです。ご縁がなかったということではない。なぜかというと、一期一会で出会っている、知り合っている以上、ご縁はあったのです。何らかの形で、私とやり取りをしたという事実があるわけですから、この広い世の中で。

お互い誠実に、一生懸命あれこれやってみたけれど、うまくいかない場合には、気持ちを納めるという意味で、ご縁がなかった、という言葉を使うことはあるでしょうけれど、条件面で折り合いがつかない、そもそも相談者の過去や現在の債務が原因で、住宅ローンを貸してもらえないことが原因の時に、ご縁がなかった、という言葉遣い、そういう解釈は間違った認識です。

そもそも縁があるかないか、縁だと思うかどうかは、本人の主観ですが、広い世の中で、60億人、日本だけでも1億人の人口がいて、ある時期に、直接知り合うわけですから、それは縁です。

わざわざ縁がなかったと言わなくてもいい。そもそも事実として、縁はあったわけだから。「縁がなかった」を持ち出す人に限って、理由は、ご縁ではなく、そもそもそれ以前の問題が原因でしょう、と。その原因にきちんと目を向けずに、ご縁がなかったという言葉で納める。わざわざ使う。それは間違っている。そういう間違った認識や納め方、解釈が次もまた間違った認識に基づく判断となり、それがその人の人生をつくっていく。おそらく、良い縁には恵まれないでしょう。縁があったことを、縁がなかったことにするわけですから。

お互いいろいろやってみたけれども、どうしてもうまくいかないなあということであれば、たとえば、婚約していたけれど結婚しないなど、そのときはご縁がなかったということで、あきらめというか、納め方というのは、あります。先人の知恵ですから。一方で、大した努力をしてもいない時に、縁があったとか、なかったとか、そういう言葉は使わない方がいい。そもそもご縁の問題なのか、と。

ある方が私に教えてくださいました。
「良い縁ほど大切にしないとすぐに切れる。悪い縁ほど、切ることが難しい」

私が相談者の実情をよくヒアリングした上で、現実的な説明と回答に対して、縁がなかった、と縁を切るか、確かにおっしゃる通りですね、本当のことをハッキリとおっしゃってくださり感謝です。3年かけて立て直して、またご連絡させてください。と納めるか。

前者と後者の違いは、心から共感しているのか、表面だけ見て、手っ取り早く手に入れようとしていたのか、その違いかもしれないです。

いずれにしても、ご縁という言葉は、前向きなときにだけ、使うように心がけています。

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。