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職人さんが不幸になる家づくりで家族は幸せに暮らせるか?〜皆ハッピー価格にこだわる理由〜

小川の家の経営者である私のモットーの一つには

「皆ハッピー価格にこだわる」

というのがあります。

家づくりの目的は何か?

家族が幸せな人生を歩むこと。

それでは、家族にとっての幸せな人生とは何か?

子宝に恵まれ、子どもがのびのび健康に育ち、家族が笑顔で、心も体も健康に、安全に、安心して、経済的に困窮することなく、暮らせること。

それに必要な、それが叶う、それに貢献する家をつくるのが小川の家。

家って、ひとりではつくれません。

弊社の従業員だけでもつくれません。

それぞれの専門分野の職人さんたち、協力業者さんたち、資材や建材を製造するメーカーや仕入れてくださる方々、銀行も不動産会社も司法書士や土地家屋調査士さんなど、たくさんの人たちがプロとして働いてくださるからこそ、つくることができるものです。

一般に、消費者は、できるだけ安く手に入れたい。注文住宅に限らず、それが建売住宅であれ、アパートであれ、あれこれニーズや要望はあり、それをできるだけ安く提供することを要求されます。

合理的なコストダウンではなく、職人さんたちや下請け業者さんたちに無理を強いることで、お客様の要望に応えるという住宅会社はたくさん存在します。業歴が100年を超えるような会社であればそういうことはしないでしょうけれど、実質10〜30年程度の業歴であれば、営業力で押し切っていきます。

私は、お客様の幸せな人生を考えると、誰かの不幸の上に、それが成り立つというのは考えられないんです。千円支払うべきものを八百円で手に入れたとして、その時点ではハッピーというか、ラッキーと考えるでしょうけれど、本来支払うべき二百円はどこに行ったのかというと、誰かが損をしているわけです。犠牲を払っているわけです。もちろん、千円を八百円でもいいから買ってくれ、という場合には、それはもう適正価格が千円ではなく八百円なので、八百円が双方にとってハッピー価格になる。ここで問われている千円を八百円に、というのは、相手の弱みに付け込んで、という意味です。自分だけが得するために相手に犠牲を強いる。私はこういう仕事はしないと決めています。結局、二百円分は、お金では解決しない何か、として客に提供される。それはある種の恨み辛みである。そういう恨みつらみが家の中に残るわけです。そんな家でハッピーに暮らせるか?と考えると、それはない。

先日、アパートの階段が崩落して犠牲者が出たというニュースを見ました。

手抜き欠陥工事が原因ですが、遡れば、地主(不動産投資で金儲けをしようというオーナー)にあります。投資の目的である金儲けに問題があるわけではなく、その手段として、格安で儲かる提案に乗ったことにあります。アパートの住民にきちんとした住居を提供することで適正な利益を得る、という目的であれば、こういうことにはならない。アパート経営のオーナーが住民の安全、作り手の生活が成り立つことをきちんと考えてあげれば、こういう取引は成立しない。きちんと作ろうとすると採算に合わないから断念する、となるケースはたくさんあるわけですから。同時に、格安の賃貸物件に住もうという、これもまた自分さえ得すればいいと考える住民(消費者)が、このような人たちと引き合い(類は類)、当たりか外れか、となる。

家族が幸せな人生を過ごせる家というのは、豪華とか立派とか広いとかそういう家ではなく、作り手の愛情が伝わってくる、ここで住む人の幸せを願って職人さんたちが頑張ってくれた、そういう家です。そしてそういう愛情とか温もりとか、そういうものを感じて評価してお金をきちんと支払ってくださる人が、そういう家に住むし、そういう物作りをする住宅会社や担当者を「信用信頼できる」と判断して選ぶわけです。

私はよく

「釘一本打つときに、幸せを願って打つか、クソったれと思いながら打つか。前者は家族が幸せな人生に、後者では、作り手も住み手も不幸になる。だから、私は家づくりに関わる全ての人が、その家族の幸せを願って仕事ができる環境づくりをすることにこだわる」と。皆ハッピー価格にこだわる、というのはそういう姿勢の積み重ねです。

安く手に入れようとすればするほど、おかしな人(業者)が寄ってきます。

得しようとすればするほど、おかしなものをつかむハメに合います。

なので、私は「お得です」と言われるもの、サービスは全て一律、結構です、と断るようにしています。別に、得しなくてもいいからです^^必要なものは必要だし、必要な対価は支払うし、対価を支払えないなら諦めればいいから。

写真は本日お引き渡しのM様宅。
お客様はもちろん、職人さんたちみんなが愛情込めてつくったことが伝わってくる仕上がりでした。

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。