実現請負という仕事
『お仕事は何ですか?』と聞かれることがある。
いつも、答えに窮する。
工務店の2代目といえば、「大工さんですか?」となる。
家をつくっているといえば、「設計士さんですか?」となる。
住宅を売っているといえば、「営業マンですか?」となる。
私が何なのかというのは、私が○○です、といったところで、
社会や相手が小川さんは△△だと私の真意と違う形で理解されてしまえば、それはそれで仕方がない(笑)
そこで、私の仕事を「成果・実績」から判断・評価・分析すると
「暮らしを変える」プロフェッショナルというのが、
最も適当な表現のような気がする。
どんな暮らしに変えるのか?(提供する価値)
=家族の心豊かな暮らしへ
どうやって、変えるのか?(手段)
=子育て優先の家づくりで
どの役割を担うのか?(担当)
=司令塔
現代の個人住宅建築業というのは、
その殆どが「御用聞き」といえる。
素人で情報通の相談者が
右といえば、ハイ右ですね。
左といえば、ハイ左ですね。
と即対応するのが、良い業者だと認識されている。
相談者が真にそれ(=言った通りにしてくれること)を求めているのであれば、その要求に対して至れり尽くせり、不可能も可能なようにするのが、「その道の」プロとなるが、私は「家族が心豊かで健康に暮らせる住環境を実現すること」をミッションとして掲げているゆえに、所謂家づくりの常識である「御用聞き」的な作法・対応をすることは、一見相談者・依頼主のためのようであるが、それは単なる目先しのぎにすぎず、結果的にその家族との約束を果たすことができなくなる。
依頼主は、この時代に、家づくりはもちろん、引越しの経験はあっても「暮らしを変えた」経験がない。
したがって、木というより、枝葉は見えても、森を見ることができない。
私は、この激動の時代に、子育て優先の家づくりを通じて「暮らしを変える」ことを生業としている。
したがって、まず(その家族にとっての)森を捉えることに尽力し、その後、木や枝葉を考慮し、設定、顧客に提示する。
(相談者が)御用聞きを探し求めているのであれば、小川の家には依頼しない(笑)
とはいえ、依頼すると御用聞きを(無意識のうちに)私に期待する(苦笑)
※御用を素直に受け入れない小川に対して「大丈夫だろうか」と不安になる(笑)
右と言われて、(左なんだけどと思いつつ言われた通り)右へ行くのがラクなんだけど、それをしてしまうと、そもそも、その家族が私たち小川の家に求めたものを提供できなくなる=約束を破ったことになる。だから、やっぱり、そういう選択はとれない。
右という話は、素人からすると、一見、些細なことなのですが、
現実には、それが些細なことじゃないから、難しい。
大したことないと判断・認識している相手に対して、それが重要であることを認識し、納得して頂けるよう説明するのは、さらに難しい。
ま、どっちにしても、私は最後まで最善を尽くす。
ベストを尽くして、ご理解頂けないのであれば、仕方がない、というか、真に求めているものが違う、という結論になる。
今年もあと3週間。
年末まで慌ただしそうな気がする(笑)