「いつか」は、「いつ」か。
私は今まで何度となく「いつか」家を建てたいという夫婦の言葉を聞いてきた。
この仕事に携わって12年。
「いつか」と構想を語った夫婦の殆どが「現住所」で暮らしている。
「2~3年以内に建てたい」と多くの夫婦が言う。
家づくりは、やると決めて、新居での生活が始まるのはほぼ1年後です。
3年後に新生活を始めたいのであれば、2年後には具体的にお金を払って動き出さなくてはならない。
2年後であれば、1年後。
1年後であれば、今日です。
来週36歳になる私が、仮に今「2~3年後」という構想を練ったとする。
3年後に家づくりを決めたとすれば、住宅ローンの返済が始まるのは40歳。例えば、現時点での25年返済計画は、4年後は通用しません。子どもの幼稚園の問題が、4年後であれば、小学校の問題に変わります。つまり、同じ家庭でも「先送り」した場合、まったく別の家族の家づくりです。
比較・検討、そして何より「先送り」は、誰でもできる。
家づくりとは、資料請求や相談、展示場巡りのことではなく、「方針を決めてお金を支払うこと」です。
「いつか家が欲しい」とある母親は私に相談する。
そう言われても私には「そうですか」としか答えようがない。
家を建てない、ということは
マイホームを諦めるということではなく、
今の住居で生涯暮らす、
今の暮らしを生涯受け入れる、
自身の人生そのものにする、
そして臨終を迎える、
ということです。
家を建てないということは、
それらを受け入れるという覚悟と一体です。
それで良いならそれで良いし、それが嫌なら「いつか」とか「2~3年以内」という言葉は封印すると同時に、今すぐ行動しなければ臨終を迎えることになります。
今すぐ行動して1年後ということではなく、今すぐ行動して、結果的に2年後、3年後にようやく実を結ぶ、という話です。
「いつか」は、「いつ」か。
自分で決めるしかありません。