子育て優先の家づくり

堂々巡りに終止符を!

住まいの問題が解決しない理由、

それは詰まる所、2つのうち、どちらかだと思います。

① 問題の原因そのものを間違えている

② かけるお金をけちっている

先日、50代の女性からリフォーム相談がありました。

状況をまとめると、

・築30年弱、木造の注文住宅。

・子供が成人

・暗い、狭い、プライバシーがない、整理整頓できない

・棚や収納、間仕切り壁を設けるなど’自分の構想’があるので、

それに対応してもらえるかどうか。

******

私の返答は

「要するに、住みづらいってことですよね」

「はい、そうなんです。見取り図を送りますから~」

「いえ、現時点では結構です。見なくても分かりますから」

「どうしてわかるんですか?」

「日本の住宅の殆どが、そうですから。

で、快適に暮らせない原因は、

間取りと素材(室内の住宅建材)にあります。

なので、奥さんの要望通りにしても

ますます暮らしにくくなるだけです。」

「要望をきいてもらえないのですか?」

「暮らしにくいという住まいの問題を解決したいんですよね?」

「はい、そうです。」

「だから、その要望に応える解決策としては、間取りと素材を変えるしかない」

だらだら書きましたが、ポイントは二つ。

・ 片付かないのは、収納量が少ないからではない

・ 要望通りにすると、間仕切り壁というモノは出来るが、

  暮らしは快適にならない(一番困っている問題は解決しない)。

※目先のニーズは解決するが、真のニーズは解決しない。

******

さらに続きます。

「ご予算は?」

「いくらぐらいかかるのか提案してもらってから」

「いやいや、ご承知の通り、いくらでもお金がかかるものを提案することはできるんですよ。

例えば、500万円の内容を提案して、予算は300万円です、ではお役にたてないのです」

「100万円ぐらいでは、どのくらい?」

「外壁塗り替えただけでも、その程度はかかります」

「確かに」

「これから30年、毎日家族の暮らしの質を決める住居の質に、どれだけのお金をかけるのか。

10年も乗らないプリウスでも300万円です。

自分が望む暮らしを叶えるためには、

どの程度のお金をかける必要があるのか、

それが自分には可能なのかどうか、ということです。

通帳を眺めて、どれぐらい可能なのか。

まずはご夫婦でしっかり話し合って予算を決めて下さい。

100万円なら、100万円でも私たちはOKです。

その範囲内で解決できる限りのことを提案させてもらっていますので。

例えば、二部屋は無理だけど、一部屋だけとか。

とにかく、一つずつでも解決しないと、

ずーと不快なまま、これまで以上に住みづらい人生になりますから」

*****

お金をかけたくない、という気持ちは分かります。

しかし、一番困っている問題を解決し、

望む暮らしを手に入れるには、

・ 原因を特定し

・ 必要な対価を支払う

しか手がありません。

そもそもそれを叶えるために

「マネー」が存在するわけですから。

お金を支払う。

かけるお金を少しだけ増やす。

そうすることで、様々な問題が複数解決し、

物事が好循環し始める。

※背伸びするということではない。

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。