MY LIFE
第一子は父親としての人生の始まり〜長男*後継者
(第二志望校の入試を終えた長男と待っている間に博多駅から糸島方面へ30km走り終えた父)
第一子は初めて父親にしてもらったわけで、そこから父親としての人生が始まる。「子育ては親育て」と言われますが、まさにその通り。
私は上司がいない人生を歩んでいるわけですが、幸にして両親以外にも、私に親としてどういうスタンスで生きるのがよいか、お手本を見せてくれる、助言してくれる諸先輩が複数いて、非常に有難いです。
昨日の私のFB投稿を見た妻から「パパが成長させてもらったよね」と。その通りですね。次男、長女と3人の子宝に恵まれたことで、それぞれの個性はそれはそれとして、子ども、子育てと向き合うことで、私なりの哲学というか、家訓的なものが構築されているように感じます。
私は三人兄弟の長男(姉と弟)ですが、サラリーマン家庭ではなく、長男=跡継ぎという母親の願望のもとで育てられ、育ちました。
M&Aに関しては、3年半前に決断し、交渉等を経て、2年前に契約成立。準備としては5年以上前からだと思います。創業者の両親には相談もしていませんし、事後報告もしていません。風の噂ではありませんが、周りから耳に入っていますし、その件について直接話したことはありません。いろいろ思うところはあるはずですが、息子が決めたことだから、という理解だと思います。
オーナー会社、オーナー経営を卒業するのは大きな決断です。引退や廃業するならまだしも、自分で自分の首を切るわけですから。
子供に跡を継がせないにしても、もっと後でもよいではないかというのが常識的な考えですが、私は子供たちが進路を決めていく前に手を打ちたかった。打たねばならなかった。それは私の生き方であり、哲学です。
長男起八が高校受験するタイミングで、まずは親族間の株の問題を解決し、それからMAへ。長男が高1の冬に決着を付けました。オーナー会社の卒業です。子どもたちが高2、高3というタイミングになると、子供の進路選択に影響を与えてしまいます。高校受験も同様です。後継者として育てようとすれば、中卒というのは現実問題として厳しい。職人の世界ではありませんので、企業経営者としては、相手にされませんから。
それはそれ、これはこれでどんな状況や環境であってもそれぞれ誰でも自分の人生を決めて歩んでいくわけですが、私の場合、客観的に、子どもたちに跡継ぎを期待もしないし、当てにもしないし、そもそもそんな立場ではありませんから、という証(客観的な事実)をつくりたかった。それはつまり、全株式を第三者に譲渡して、任期付きの雇われ社長になる。
それは子供のためというのもあるけれど、僕自身の覚悟、退路を断つためでもあった。超少子化、人口減少、そして長崎という市場で、個人住宅の請負建築業というのは、将来が期待できないという現実もある。私の両親も私も首の皮一枚で商売をやってきて、子供に云々などとは賢明な経営者のやることではない。
進路=学部、学科を選択していく中で、最初にどんな領域にいくのか、なぜその分野に行くのか、これは大きいと思っています。
親が経営者で子供に跡を継がせたいと思っていたら、一般的には、事業分野か経営・商学系の学部に行くことになる。当社だと、建築系か経営・商学系です。
キハチの志望分野は、ランドスケープデザイン。
以前、経営の師匠から「小川くんさ、もし本人(子供たちの誰か)が跡を継ぎたいとか、住宅建築やりたいって言ったらどうするの?」と問われ、その時は本人が自分で会社をつくればいい。僕は出資か何かわかりませんけど、支援すればいいので、と答えた。
何年も前から準備して、覚悟決めて、止血しながらやってきましたが、今日、試験会場から出てきたキハチの表情を見て、僕は僕なりの生き方、経営者、事業家をしっかりやり抜いてよかったな、と。正しいと信じてやってきましたが正しかった。
普通に生きると手枷足枷が増えていくばかり。大切なものを大切にするために、もっと損切り、断捨離していく必要がある。
ライフシフトですねえ^^
今月末は関東へ。息子と幸せな受験の旅は続く^^
事業家・経営者をやってみてわかることは、大学で学ぶべきは「哲学」。歴史、倫理学、心理学です。人間を相手にするからです。物事を判断するためには哲学がいる。哲学とは考える技術。だとすると、文学部ですね。
2024.02.05