私たちの考え

会社初の産休・育休〜社員3名の会社でどうするか〜

当社の井上が9月末から産休・育休に入ります。彼女は縁あって、長崎大学教育学部の新卒で当社に入社してくれて、10年目になりました。結婚し、当社で家も建ててくれました。そして待望の赤ちゃんを授かり、ものすごい悪阻で苦しみ、乗り越え、彼女から「産休・育休を取らせてほしい」という相談を受けた時にはとにかく嬉しかった。それって、出産後も当社で働きながら、育児子育てしたい、ということですから。経営者としてこれほど嬉しく、幸せなことはありません。

他方、現実問題として、わずか3名の小さな会社です。さらに、会社初の産休育休なのです。両親が創業してから50年を超えていますが、産休育休は初めてです。いわゆる寿退社が主流の時代と独身が増えたこともあります。

彼女が入社してくれてから、ずっと、いつか結婚するんだろうな(結婚するのかな)、赤ちゃん授かるといいな(赤ちゃんほしいタイプなのかな)、そのあと、彼女は仕事をどうするのかな、家・住居をどうするのかな、と気がけていました。

私は、社員に対して、心身の健康状態と時間管理、業務内容については非常にエネルギーを使います。社員のプライベートは関知しません。社員から相談がない限り、聞くことはしません。「いつ結婚するの?」「彼氏彼女はいるの?」など。現代においては典型的なNGワードですし。誕生日も知らないです。とはいえ、結婚、家(住居)、赤ちゃん・産休育休の相談は嬉しかったし、できる限りのことをしたいと。

つわりがひどかった時期は、当然、仕事になりません。仕事してる(させる)場合ではありません。命がけで一人の人間を産むわけですから。ですから、とにかく体調最優先で、休んでいいよ、午後からでいいよ、在宅でいいよと。残った社員で私も含めて、協力して分担する。

つわりがひどい時に、安定期に入っていないときに「産休育休どうするの?」とは聞けません。会社の経営者としては、退職か産休育休かで対応はまったく異なりますし、時間は限られている。

産休・育休という方針が決まり、次は、彼女の仕事の引き継ぎをどうするか。私の方針は、彼女が安心して産休育休に入れる環境と体制をつくること。そのためにどうすればよいか。

ご縁あって、2名の仲間が当社に入社してくださいました。

6月下旬にハローワークに求人を出し、すぐに複数名の方から応募があり、職場見学・業務内容の説明を行い、その後、再度当社で働きたいかどうかの意思を伺い、面接、最終選考の上、決定。その間、共に働く社員たちにも、会社の説明案内や面接などの選考過程に協力、関与してもらいました。
2名採用する予定ではなかったのですが、1名だとちょっとしたことで急遽休まざるをえないときにバックアップがありません。そもそもフルタイムで働いていた井上の業務をパートで週4日程度でまかなうこともできません。面接を通じて、応募者のこれまでや現状の働き方を聞いていると、休めないこと(バックアップ体制がないこと)が心身のストレスや家庭に迷惑をかけるなど、他の問題を生じる原因となっていることがよくわかりました。二人採用(それぞれ個性も特性も異なる)すれば、お互い補い合えるし、余力が生まれます。

これは結果的にそうなった、そういう判断をした、ということ。
そもそも、求人募集したからといって、そのタイミングで当社の条件で、応募が来るかどうかの見通しもゼロですから。人手不足と言われ、かつ、長崎市南部の小さな事務所です。都会・都心のオフィスではありませんから。

2名はいずれも育児・子育て奮闘中の母親です。パートで週4日程度、1日6時間。職歴はそれぞれ異なります。子どもの体調、保育園や幼稚園、学校の用事などで、予定通りに働けるわけではありません。それを前提に、安心してしっかり働いてもらえる環境、仕組みをつくることが次の私の仕事です。人と社会の幸せのために、成長意欲のある方の潜在能力を最大限に発揮してもらえるようにする。お互いハッピーになる。

私もホッとしました。これで何かと余力が生まれます。カバーし合えますし、人手不足・余力不足で、やれなくなっていたことがいろいろあり、新たな形で対応できます。

コロナ禍の長期化に加え、何でも過度な複雑化、厳密化により、多様性や変化への対応ができなくなっています。心のほっこり感を失いがち。実はいちばん脆い状態でもある。いちばん大切なものが見失われてしまう状態でもある。それってそもそもなんだっけ、みたいな。

子育ては住まいから。子育て優先。社名まで子育ての家なのに、育児子育て中の母親に冷たいなんて、ありえないっすから^^

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。