子育て優先の家づくり

ウッドショックに伴う営業自粛とその解除について

【ウッドショックに伴う営業自粛とその解除】について

ウッドショックに伴う木材仕入れ価格の急騰に伴い、2021年7月頃から営業を自粛しておりましたが、2021/12/3をもって自粛を解除することにしました。

解除の理由は、木材価格の急騰がピークアウトし、今後の見通しが立つと判断したからです。

営業自粛の理由は、木材の価格が、私にとって受け入れられるような水準をはるかに超えていたからです。個人住宅の販売は、請負工事ですから、その見積りは、その時点で、その地域、建築地での人件費と資材費、間接業務費、経費の合計額です。適正な見積もりとは、資材費も価格に転嫁(反映)することです。それをしなければ価格の根拠と信頼がなくなるからです。とは言え、物事には限度(程度)があります。

小川の家は、お客様と社会に対して、ご家族が心豊かに健康に暮らせる家を手頃な価格で提供することを約束しています。品質に対して手頃な価格と考える額を大幅に超えるようなコストが必要になるのであれば、それはもう手頃な価格ではありません。

小川の家は独自の品質基準を設けています。ご家族の健康と安全を守るために、幸せな人生に役立つ道具として、木造で、自然素材を標準使用しています。とはいえ、木材の価格があまりにも高額になり、企業努力の限界を超えると、さすがに商品としてお客様に提供することを断念せざるを得ません。お客様にとっても「高すぎて買えない」となります。理念や商品、コンセプト、品質がどれほど素晴らしくても、対象とするお客様が買えなければ意味も価値もありません。

今回のウッドショックに伴う木材価格の高騰の大部分は、構造材です。つまり「木造」であること、それ自体に対してのコストの急騰です。「木造」住宅の骨格である柱や梁、土台の材料代の値上がり分が高すぎて、、、です。さらに値がどこまで上がるのか、見通しがつかない状況でした。

他の住宅会社のことは分かりませんが、弊社が対象とするお客様の経済力は、平均的な年収の子育て世帯です。富裕層ではありませんし、世帯年収1000万円以上のお客様は殆どいらっしゃいません。お客様の経済力に対して、手頃な価格、手が届く価格であること、これは弊社の家づくりにとって、お客様に提供する価値の根幹です。高級品やこだわりの木の家ではなく、家族が幸福な人生を過ごすために必要な木の家です。笑顔で子育てする、子どもを自由にのびのび健康に育てる、心身健康に暮らすために必要な木の家です。ぜいたく品やこだわりのマイホームではありません。高品質のものを低価格で提供するために、様々な仕組みや創意工夫を行なっています。とはいえ、代替のきかない構造材の仕入れ価格が、企業努力の範疇を大幅に超えるとなると、さすがにこれは困ったなあと。ヒノキの代わりにスギというのはありますが、木の代わりにコンクリートというわけにはいかないですから。

お客様の殆どが土地からの購入です。現実問題として、住宅購入に要する総費用から考えると木材の高騰費用分は数%ですが、単純に、価格に転嫁して、お客様がその分、住宅ローンの借り入れを増やせばよいとか、土地の予算を減らせばよいとか、そういう次元の問題とは違うのです。例えば、同じ追加コストでも地盤補強費ならそれは品質に関わる問題なの必要コストなのですが、品質が変わるわけではない材料の価格差が多額になりすぎると必要コストとして割り切れない内容です。とは言え、木造ですから、木の代わりはない。。。

会社として「営業自粛」を発表していたわけではありません。これは、お客様に対する姿勢の問題として、です。気持ちの問題です。自粛モードは6月ごろからでしょうか。新規にご相談頂いても、木材価格の現実を考えると、お子様の時間を大切にして、人生も命も有限、思い立ったが吉日、できますよ!建てましょう!建てさせてください!とは、心から言えなくなってしまい、言えなくなりました。いつもの「熱量」が出てこなかったのです。モヤモヤです。なぜなら、それだけの追加コストを負担することが、お客様ご家族の幸福な人生にとって、本当に役に立つことなのかどうかという問いに対して、YESと自信を持って言えなかったからです。自分に嘘はつけないです。倫理的な問題です。家づくりは、ご相談、ご依頼をいただいてからお引き渡しまで、様々な問題が生じますし、一つ一つ乗り越えていく必要があります。乗り越えることができるだけの見通しを立てることができるかどうか、プロとしての責任です。費用もセットで伝えなければいけません。

もちろん、ウッドショックの問題は今年の初めから言われてきたわけですが、具体的な金額がわかるのは発注時でした。仕入れ業者からの弊社への価格の転嫁は、2021年6月下旬〜7月上旬。まず衝撃を受けました。想定をはるかに超える金額を提示され、それを受け入れるしかない。8月、さらに高騰し、衝撃を受けました。お客様に全額ご負担いただくことは到底できませんし、するつもりもありませんでしたが、お客様に一部ご負担いただくにしても非常に心苦しいです。

とは言え、弊社が全額負担して、利益を大幅に減らして、つまり赤字で、このままやっていくというのも、これはこれで、前提となる見積もり、価格設定の根拠が失われてしまいます。一つの案件における突発的なコストの発生であればそれは仕方がないのですが、これがすべての案件で続くことが明らかになると、大問題です。持続可能ではないからです。工期と材料の調達とお金に関する問題は、トラブルの原因です。このような構造的に無理がある対応は、時間経過とともに、必ず他にも支障を及ぼしていきます。仮に、住宅会社や工務店さんが、ウッドショックの高騰分を価格に転嫁していないとすれば、それは職人さんや従業員さん、協力業者さん、末端の下請けさんたちに、何がしかの負担や犠牲を強いていることになります。そうでなければ成り立ちませんから。

私たち小川の家の社是は、皆ハッピーです。作り手がハッピーとはいえない家づくりの仕組みの将来に、お客様の幸せな人生の花が咲いていくとは思えないのです。

ガソリン価格が永遠に上昇を続けない、上昇が続かないように、ウッドショックに伴う木材価格の高騰もいずれ必ず落ち着く、それがいつになるかはわからなかったのですが、11月末、ピークアウトしました。以前の水準に戻るまでには時間を要するかと思いますが、それでもこれ以上は高くならないという上限がハッキリし、見通しが立ちました。故に、営業自粛を解除することにしました。企業努力等で許容できる範囲でのやりくりができるからです。営業自粛は私の気持ちの問題なんですけど(笑)。社長が営業マンですから。

小川の家は、約束を守るハウスメーカー、工務店、住宅会社です。信用、信頼を前提として、家づくりのご相談、ご依頼をいただいています。ですから、できない約束はしないですし、してはいけないですし、見通しが立たないことを安請負することもまた信用・信頼を失うことになります。何より、お客様が困ることになります。

小さな会社ですから営業を自粛すれば、お仕事が一気になくなってしまうわけですが(苦笑)、とはいえ、このウッドショックによる価格高騰分を具体的に突きつけられ、わかってしまった以上、例えば、これまで依頼してくださったお客様のそれぞれのお顔と財布を思い浮かべながら、今、これでいけますよ、大丈夫です、実現できますよ、とお客様に言い切る事ができるか、信頼に応えることになるのか?と自問自答すると、答えはNoでした。期間はわかりませんが、売上が大幅に減ることを覚悟し、受け入れる決断をしました。売上の大幅減の受け入れというその覚悟と判断ができる背景には、弊社の強固な財務基盤があります。売上ゼロが数年続いても、借り入れすることなく、小川の家は倒産しない財務体質です。自社ではどうにもならない経済状況の激変で、例えば大震災だったりリーマンショックだったり、仕事ができなくなる、させて頂けなる時もあるかもしれない、そういう時でも慌てなくていいように、日頃から質素倹約を心がけ、強い財務基盤を構築してきました。だからこそ、お客様に一方的なセールスはしないですし、無理に建てさせることもしませんし、背伸びさせることもしませんし、する必要もないのです。やっぱり、そもそも何のために家を建てるのか、家づくりをさせていただくのかと問うと、それはお客様ご家族の幸福な人生のため、なんですよね。弊社の売上や業績のために家を建てさせてもらうわけではないです。もちろん、民間企業の商売なので、家を建てさせて頂かないと商売にならないんですけど(笑)

営業自粛解除です、気持ちもスッキリしました^^

熱量復活です^^

ご安心ください。ウッドショックでも実現できます^^と言い切れる見通しが立ったからです。

写真は100年カレンダー。
私は2100年を生きることはありませんが、今の子どもたちは2100年を生きます。親子の時間は限られています。時間は無限に続きますが、自分と家族の命は有限であることを見える化してくれます。

株式会社小川の家

代表取締役 小川勇人

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家づくり診断サービスの申込み

https://docs.google.com/forms/d/1lCbeq3IWpCHs9cfdyjEOyQbyZ-44brLDX5Re3gr1koI/edit

母親のための伴走サービスの申込み

https://docs.google.com/forms/d/1Jt8wDN10tgb7bvuHC_AzVRUtxw1f7X9c5CvHGe6LuiI/edit

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https://docs.google.com/forms/d/1UDU_TAf9yl3DwoRYZJwDHKIF1Cf2Y95KYo0Ani1qDhA/edit

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。