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母親の努力不足ではなく、住まいが悪いだけ

母親の努力不足ではなく、住まいが悪いだけ

育児、子育て、料理やお菓子づくり、日常の暮らしを楽しみたい。心にゆとりをもって、家族の時間を大切にしたい、笑顔で過ごしたい。安心して、健康に暮らしたい。子どもを自由にのびのび育てたい。

そう願いながらも、今の住まいのままでは、自分がどれほど努力したとしても、それが叶わないことに気づいたあなたは、正しい。笑顔で心も体も健康に暮らせないのは、あなたの努力不足ではなく、住まいが悪いだけ。ましてや、子どもが悪いわけなどない。なぜそう断言できるのか、ご説明します。少し長いですが、本当の話です。

新築の匂いはシックハウスの臭い
シックハウスは違法建築ではない

約20年前、私たちが「新築の匂い」だと思っていたものが「有害化学物質の臭い」だと知りました。「シックハウス」です。鼻にツンとくる臭い、目がチカチカする。ツルツル・ピカピカした材料を使った新築特有の現象です。メーカーから「換気すれば大丈夫」と説明されていたのですが、嘘でした。実際には、原因不明の体調不良が続くか「麻痺」していくだけなのです(有害化学物質の特性の一つに、神経を麻痺させるものがある)。

新築やリフォーム、校舎の改修後に、せき、めまい、偏頭痛、アトピー、喘息、鼻水、吐き気などの健康被害が全国的に増え「シックハウス症候群」と呼ばれるようになりました(そのような病名はありません)。さすがに「本人の体質の問題」では片付けられなくなり、法律が改正されました。シックハウス症候群の原因は、ビニールクロスや接着剤、合板フローリングやクッションフロアといった化学工業製品です(いわゆる新建材)。ですから、住宅建築による健康被害を防ぐためには、新建材の使用を原則禁止にして、無垢材やけいそう土、しっくいなどの自然素材にシフトすればよかったのですが、化学工業製品業界および大手メーカーの政治力により「ホルムアルデヒドなどの有害化学物質の基準値を設け、それ以下にする(F☆☆☆☆)」「24時間換気装置の義務化」となりました。これにより、日本には法律上、シックハウスは無くなりました。

ところが、実際に、健康被害がなくなったのか、というとそんなことはありません。シックハウス対策の法規制ができたおかげで「合法的なシックハウスを健康住宅として」販売できるようになりました。

具体的にどういうことかというと、ホルムアルデヒドはNGだけど、それと少し違う化学物質を使えばOKになる(ホルムアルデヒドはダメだけど、ホルムアルデヒドαはOK)。脱法ハーブみたいなものです。A→A‘です。法規制はAだけですから、A’がどれだけ使われても法律上問題ない(が、健康被害は出る)。どんな化学物質がどれくらい出ているのか、全くわからない材料を使用した住宅が「シックハウス対策済みの健康住宅」として販売されるわけです。「24時間換気しているから大丈夫です」という理屈です。室内で使用している建材が安全なものであれば、24時間換気は必要ない。「何かよくわからないがよくないものが出ている」ということを認めているわけです。つまり、実際には室内で使われている化学物質から得体の知れないものが空気中に出ていることに変わりないわけで、それに触れ、その空気を吸い続けるわけです。しかも、長時間、長期間。その結果、原因不明のせき、アトピー、喘息、鼻水、偏頭痛など、通院や薬を飲んでも治らない、いわゆるシックハウス症候群で苦しむ人が出てくるわけです。とはいえ、法律上はシックハウスではありませんから、あくまでも、本人の体質の問題。つまり、あなたが悪い、となる。特に、体が弱い、小さな子供や女性、産前産後の母親の健康が害されやすくなる(ひどくなると、化学物質過敏症になる)

私たちは約20年前、「シックハウスの危険性を知ってしまった」のです。それまでの「広さ、安さ、便利さ」を優先した家づくりでは、お客様家族が必ず健康を害してしまう。つまり、お客様が不幸になる。直感的に、一つの決断をしました。それは「自然素材を使った家しか、つくらない」家づくりの目的は家族の幸せな人生のためです。家族が病気になるとわかっている家をつくるわけにはいかないです。安さ便利さ広さ優先の家が、売れるから、儲かるから、施主の要望だから、という理由であっても、お断りすることに決めました。熟慮の末というより、直感です。食中毒になるとわかっている食材をつかわないのと同じです。自分がつくった家が原因で、病人が出るなんて、嫌だから(苦笑)。自然素材の家しかつくらないのは、こだわりではなく、職業倫理の問題です。続く・・・

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。