大学での講義〜福岡大学商学部「ソーシャルイノベーション」〜
2019/12/19(木)
福岡大学商学部、履修科目「ソーシャルイノベーション」にて、非常勤講師を務めさせていただきました。
私が商学部田村薫教授から与えられたお題はこちら
さらっと書いてありますが、ものすごく難しく、かつ、根本的な重要なテーマです。
90分間で学生さんに何をどう話せばよいのか。考えました。考えながら分かったことの一つは、そもそも市場の開拓とは何か、顧客の創造とはどういうことなのか、私自身が明確に理解できていない、ということ。もちろん、言葉の定義だけでよければ、経営学などの関連書籍を調べる、Wikipediaから引用すればよいのですが、実際に、それはどういうことなのか「わかる」には、どうすればよいかというと、これはもう、ハードル高すぎです。
そこで、まずは、私の産みの苦しみを少しでも学生さんに分かって欲しくて、事前課題を出すことにしました(東京出張の帰りの機内にて作成)
大学での非常勤講師の依頼は、確か2001年ごろに遡ります。以降、毎年1コマか2コマ、学生さんの前で話をさせてもらう機会を頂いています。テーマは毎回違います。
大学での講義に限らず、シンポジウムや議論において、議論や理解が深まるかどうかは、そもそもの定義、概念を明確にして、共有しているかどうか、だと考えます。聞いたことがある流行りの言葉なので、なんとなく分かったような感覚でその言葉を使っているのですが、それぞれ定義を聞くと、だいたいみんな違う。違うということは、議論の大前提を共有できていないわけですから、うまくいかないですよね。これ、普通の会社の会議やミーティング、学校教育でもよくある光景ではないかと思います。
私自身、前日まで、準備を進めていたのですが、ストーリーがまとまらない。脳みそが煮詰まり、リフレッシュのために、ロードバイクでサイクリングに出かけました
「社員をサーフィンに行かせよう」
これはパタゴニア創業者の経営スタンスです。要するに、オフィスにこもってばかりでは気づきは得られないし、何より、一番大切なものがわからなくなってしまう、という考え。大切なものは自然の中で教えてもらえる。
寒くて、体がカチカチになっていくわけですが、その中で、「あ、そうだ」と気づきました。学生さんへの事前課題の設定が、今回のテーマに対して、間違っていたことに。降りてくる、という瞬間です。そこから一気に、講義のストーリー、シナリオが見えてきて、事務所に戻り、夜遅くまでパワポ準備して、朝起きると、さらに補完すべきことが出てきて(夢に出てくるパターン)、福岡へ行く車の中でも頭の中で作り込んで、最後は、控え室で仕上げ。
これが当日、冒頭の生徒さんへのお題の再設定
上記の質問に対して、皆さんに答えてもらう。答えに対して、私がさらに問う。答える、さらに問う。いろんな生徒さんのそれぞれの話が「理解」「腑に落ちる」ことに繋がっていくのがよくわかりました。
事前課題の設定を間違えたわけですが、でも実は、この事前課題について、学生さんたちが、それぞれ考えてきたこと、レポート提出しておいてくれたおかげで、「自分ごと」に置き換えながら考えることができたわけです。
学生さんの話を一通り聞いて、質疑、補足した後、「私の」今年の市場の開拓と顧客の創造について、話をさせていただきました。文字だけでは伝わらないので、それぞれの、象徴的な写真をグーグルフォトからモニターに映しながら、説明しました。
私は常に市場の開拓をやっているし、顧客の創造もやっています。仕事もプライベートもほぼ関係なく(笑)それを通じて、ワクワクするってどういうことなのか、人は、自分は、何に興味関心を持ち、どう行動するのか(しないのか)、お金をかけるのか(かけないのか)、嬉しさとか幸せとか、どうやって生まれてくるのか(生まれないのか)、リアルに分かっていくわけです。
来年もお声がかかるかどうかわかりませんが、機会があれば、何事も、全力で準備して、突っ込みたいと思います^^