分かりやすく「説明」より、分かる「仕組み」へ。
巷よく聞く、
「分かりやすく’説明’してください」という要求。
例えば、年金。
あらゆる場面で物事が複雑化してしまっている現代社会において
‘分かりやすく’伝えることは重要です。
ただ、いつも思うのは、これから大切なことは
物事を複雑化し、複雑な物事を分かりやすく‘説明’することではなく、
複雑化してしまった物事を、重要な要素を見極め、
‘簡素化’していくことではないか、と。
自身や家族の生活に直接大きな影響を及ぼす
年金、医療、教育、税制というのは、
少なくとも私のような庶民レベルの知力で、
分かりやすくではなく、きちんと理解できる仕組みにしてもらわなければ、
何が何だかさっぱり「分からない」まま、
多額の費用だけを徴収され続けることになる。
家づくりに関する情報、法体系、
実際の消費者とそれに応じる業界の動向というのは、
特に私が専門とする新規土地購入+木造注文住宅建築分野において、
収拾つかないほど、複雑多岐化状態です。
少なくとも私が考案し提供する小川の家づくりにおいては、
依頼主の方に、重要な事項、根幹の全体像について、
きちんと理解・把握して頂ける家づくりを心掛けています。
例
・我が家の資金力(生涯にわたる稼ぐ力と支払い能力など)の上限
・○○の時点で、○○が不慮の事故などで亡くなったら。
・住宅ローンが不承認、あるいは、大幅減額という事態が起こった場合
・合法的シックハウスを防ぐにはどうすべきか
・些細な事も含めて、住宅紛争・トラブルに巻き込まれないためにはどうすべきかetc
昨今の社会風潮からすると、
(消費者の)要求・要望通りにはならない、できない物事について、
それを率直に伝える行為は、ご法度です。
正直に説明しても‘対応が悪い’という
評価・扱いを受けてしまいますので(苦笑)。
私の場合、率直に伝え説明することが、
たとえその時点で、先方に不快な思いを与えたとしても、
それがプロフェッショナルとして、
誠実な対応だという自身の判断に基づき、これまでもやってきました。
「訳、分かんない」時代、社会構成に突入していくことは
一個人、一家族ではどうにも回避できないわけですが、
「訳、分かんない」社会だからこそ、
「我が家の住環境、家計、食生活ぐらい、
しっかり確保・把握・コントロールする」ことが重要だと思いますし、
それは明確な認識と手順を踏めば、必ず可能です。
小川の家づくりが
単なる家というモノづくりではなく、
暮らしをつくるために、家をつくるという役割になった以上、
難解な問題については、分かりやすく説明することは勿論だが、
基本方針は、(利害関係者全員が)より分かる「仕組み」化へ注力すべきと思う今日この頃です。
※私の脳力はたかが知れているので、そもそも自分が理解できないような複雑な家づくりなど、できない(笑)