熊本震災〜住宅建築会社の経営者として、被災地の視察に思うこと、誓うこと〜
鹿児島県出水市での打合せの翌日、
熊本震災において甚大な被害を受けた益城地区を
少しだけですが、歩いてきました。
個人の住宅を企画/設計/施工/販売する仕事で
ご飯を食べさせて頂いている経営者として、
責任あるものとして、いろいろ思うところがありました。
安全性が一番重要ではあるが、
実際問題として、取引の最前線において、
消費者ー顧客ーニーズー価格ー融資において、
それがもっとも重要視されるかどうか、という問題は、別です。
~リフォーム工事においては尚更~
とはいえ、私としては、50年、100年経っても、
何が起こっても、自分が買って頂いた、つくって売った住宅建築に関して、
全壊、半壊、ましてやお客様家族の生命が奪われるなんてことだけは、
絶対に避けなければならない、と改めて思いました。
立派な家より安全な家
豪華な家より安全な家
大きな家より小さくてもいいから安全な家
利便性のよい土地よりも安全な地形
複雑な家より構造がシンプルな家
室内の安全性=シックハウス症候群、合法的シックハウス、
のみならず、
構造の安全性が極めて重要であること
それらに優先的にお金を使うこと
これらを愚直に説明し、理解していただき、
適正なフィーを支払って頂く努力を続ける必要がある。
あわせて、
街づくり、都市計画、住宅建築においては、
その地表部分や境界の仕上げに、
コンクリートやアスファルト、
ブロック塀やアルミフェンスといった材料は、
可能なかぎり使用しないようにしなければならない。
(危険箇所を増やし、復旧復興を遅らせ、紛争の火種になり、
廃材の処理に困る、莫大なコストもかかる)
都市(町)には、それが田舎であれ、十分な空地が必ず必要である。
これからの復旧、復興に際しては、
境界の破損に関して、その権利関係や費用負担の問題など、
ご近所同士の紛争が生じるだろう。
被災家屋を一人で見て回った後、
大学時代の同期/親友のSくんが
被災した実家や周辺を案内してくれて、
現状についてもいろいろ教えてくれた。
彼は、避難所での生活も経験し、
子どもが通う小学校の体育館はまだ避難所であり、運動場も使えない、
仕事は、地質調査のプロでもあるので、なかなか話が奥深い。
私は熊本大学工学部土木環境工学科出身。
大学4年時は耐震研究室に所属していた。
その関係で、同期も多数、熊本県庁、市役所、
九州のゼネコン、鉄道、コンサルで働いている。
年齢も40代。今回の震災の復旧復興の最前線に立ち、
日夜奮闘していることと思う。
改めて日程調整して、被災地に足を運び、
土木と建築の、人間がつくる構造物の強さと弱さを
しっかり目に焼き付けておきたいと思います。
写真は益城のお店。
店内が使えないようで、駐車場で販売していました。
商売人、作り手として思うのは、
義援金(寄付金)としてお金を頂くよりも
商品を買って頂く方が元気が出るのではないかと。
で、こういうときは加工品よりも1次品を買うようにしています^^