あなたが家主の立場なら、80歳の夫婦に部屋を貸し続けますか?
賃貸生活。
家賃を支払い続ければ、自らが望むところに暮らし続けることができる。
20代、30代、40代のときはそう考えるでしょうけど、
現実に、民間の賃貸物件で、高齢者に
積極的に貸す家主ってどれぐらいいるのでしょうか。
ましてや、いま住んでいる物件、
あるいは、いま住んでいるエリアで、
となると、現役で働き、稼ぎがあるうちは、
貸してもらえるでしょうけれど、
その先はというと、安価な公営住宅へ
転居するしかなくなるのではないでしょうか。
住宅ローンの支払いに抵抗がある人は多い。
もちろん、借金はないに越したことはない。
一方で、
70歳、80歳と年齢を重ねていくうちに、
その時点で、家賃を支払い続けることへの危険性を認識すると、
はやめに購入して、住宅ローンを終わらせておく、
というのは堅実、安心、安全です。
そもそも、借りものである以上、
家主から「○○までに出て行って下さい」と言われれば、
それは命令であって、従わざるを得ない。
家族の生命と財産を預ける生活拠点が、
家主の事情で「奪われる」
いや、家主からすると「私のものを返して下さい」と命令される。
そういう極めて不安定な状態に
なんの保証も担保もない状態に
家族の生活基盤を委ねているというのは
安心、安全な生活という観点からみると
極めて危険ではないでしょうか。
人口減少社会において、
空き家が増えるというのはあります。
とはいえ、空き家が増えるからといって、
あなたが望む家屋を、
あなたが望む価格=賃料で、
あなたに貸してくれるとは限らない。
もちろん、
あなたが退職後、高額の年金支給が約束され、
いますでに、十分な金融資産があれば、
「買っても、賃貸でもよい」という方であれば、
上記の問題は生じません。
お金を稼げる人、多額の金融資産を持っている人は、
その支払い能力に応じて、
よりより老後の生活、サービスが整っています。
住宅ローンの返済が70歳までかかったとしても、
それから平均寿命まで15年間、住居費は発生しません。
住居費は固定費。
自らの稼ぐ力がなくなったとき、
支給される年金からの固定費である住居費があるのか、ないのか、
これは晩年の生活の質に直結します。
持ち家か賃貸かの選択ができる猶予期間は
それほどありません。
いまの家賃が安いかどうかという問題とは別に、
80歳以降の住居費の支払いに関して、
自らの収入でどう賄っていくのかを考えるのも
大事なことではないかと思います。
追伸:
ちなみに、マイホーム購入者が決断する理由の一つには、
70歳以降に家賃を支払い続ける晩年に対する恐怖、
危険を回避することが挙げられます。
もちろん、そんな切実な問題を
賃貸生活の友達に話すことなどしないと思いますが。