子育ての住環境

立地条件を最優先するから、暮らしが不快になる。

家づくりの相談にいらっしゃる方々の多くは、
今の住居での子育てと暮らし、
まさに自分と家族の人生に関して
不満、不快、不安、危険、ストレス、
経済的な面での損失と将来的な危機という問題を抱え、
それらを解消したいと考えています。
今の住居を選択した理由を聞くと、
主な理由は、
・職場に近い
・家賃が安い
・新築(きれい)だった
といったものです。
実際に生活してみると、
職場の近さは通勤時間の短さというメリットを享受するわけですが、
一方で、住居の中とその周囲の生活環境では、
こんなはずじゃなかった問題がたくさん出てきます。
それは、夫婦だけのときは、それほど大きな問題ではなくとも、
子どもを授かり、子どもが生れ、育ち始めると、
それがひとり、ふたり、3人となると、
たくさんの問題が噴出してきます。
炊事、掃除、洗濯、家事、育児―これが苦痛になる。
日常の家庭生活がストレスなわけです。
幸せな家庭生活のはずが、です。
苦痛の原因は、単なる「立地条件優先で選んだ住環境にある」わけですが、
自身の性格や姿勢に問題があり、
努力不足であると自分に責任があるかのように錯覚してしまうし、
実際に、はたからはそういう目でみられる。
べたな表現ですが「我慢、辛抱は美徳」。
暮らしを変えよう、
今の住居から脱出しようと、
マイホーム購入を検討する。
マイホーム購入において、何を優先するか?となると、
また賃貸時と同様に、
立地条件をあげる。
すると、どうなるか?
アパートよりも広い部屋が手に入るが、
以前と同じ日常のストレスが、
あるいは、シックハウス症候群が
今度はマイホームにおいて発生するわけです。
何を言いたいかというと、
今抱えている問題を、
将来生じるであろう問題を、
潜在的な問題も含めて、
根本的に解決しようとすれば、
問題の原因となった考え方を変えなければなりません。
あなたと子どもと家族の心身健康的な日常を求め、
それが何より大切だと思うのであれば、
まずは、家族が心身ともに健康に暮らせることを、
マイホーム購入、家づくりの判断基準におい
最優先しなければなりません。
部屋数や家の延べ床面積、最新設備や
立地条件は、大切なものが担保された後の話です。
もちろん、
家族の心身の健康を最優先しても、
以前と比べて、職場に近くなったり、利便性がよくなったり、
校区を変える必要もなかったりする場合もあります。
その要因は二つです。
・お金に余裕があった―多額の援助金、貯蓄、収入が多い―
・たまたま条件のあう売り地とご縁があった
堅実な人生を歩もうとすれば、
たまたま、をあてにはできないし、してはいけない。
実家からの多額の援助金や相続を、確認もせずに、あてにしてはいけない。
家に帰るたびに、ストレスが増える
家に帰りたくない、なぜなら不快だから


住居は家庭生活の拠点であり、基礎です。
家族が集いたくない、いたくないような住居は、
家賃がタダであっても、長居すべきではない。
なぜなら、家庭が、夫婦が、親子の関係が
分断、離散されてしまうから。
つまり、心が離れる環境、ということですし、
幼少期からそんな住環境で育つと、
そもそも親子の心のつながりそのものが構築されない。
要するに、絆も育たない。
「慣れた」という人がいますが、
それは、私からすると
「慣れたのではなく、マヒした」だけ。
子育ては、住まいから。
マヒさせられてしまう前に、出ましょう。

  • Facebook
  • Twitter
  • はてなブックマーク
  • @LINE

私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。