比較検討はどれぐらいが妥当なのか?
「もっと他に良いものがないか、探してみよう」
ジュース1本買うにしても
比較検討作業を切り離すことは不可能です。
ましてや、一生に一度の家づくりとなると。
ある相談者とのやりとりで、
「比較検討」に関するメール返信をしました。
せっかくなので、一部加筆修正等して、転載します。
まず、比較検討する住宅会社の数についてですが、
どれぐらいが妥当で、適切か、という問いに、正解はありません。
ひとそれぞれ。
一生に一度といわれる家づくりにおける住宅建築会社選びというのは、
結婚相手を決めるのと似ています。
結婚できるかどうか、
結婚して幸せな家庭を築くことができるかどうかは、
結婚する(相手を決める)までに、どれだけたくさんの異性と
つきあったかどうかに比例するわけではありません。
ましてや、結婚を前提に、複数の人とつきあう(=相見積り)となると、
お互いのそもそもの信頼関係について、疑問符がつきます。
とはいえ、つきあうかどうかは別にして、
同年代の異性が参加する飲み会にも行ったことがない、話をしたこともない、
となると、結婚を決断することそのものができにくくなります。
ですから、<小川の家>に決めるために、
知人友人、親戚の家(を建てた会社)や(チラシやHPだけでも)中古や建売を見てみる、
何度か見学会に足を運んでみるというのは、
自身が夫婦が納得して決めていくためにも
必要なひと手間であると思います。
ただ、注意すべきことがあります。
それは住宅建築会社に個別具体的に相談する、見積りを提示してもらう
といった具体的に比較検討する際には、
自身の実情をきちんと業者に伝えることが不可欠です。
(プライバシーを開示できるだけの信用・信頼関係が必要ですが)
自身の実情とは、年収、勤続年数、預貯金、月々の支払および
自らが望む暮らしと「自然素材を使った木の家」への対応とそれに要する総費用です。
自らが家計状況を開示しない限り
「どこでどの程度」はもちろん、
それ以前に「マイホーム購入が可能かどうか」の判断もつきません。
家づくりをはじめると、周囲からありとあらゆる「助言」が飛んできます。
しかしその助言「あっちが得、こうした方が良い」といった話はすべて枝葉末節です。
なぜならば、その助言主は
・本人の客観的実情を正しく把握していない
・家づくりに関するトータルの専門的知識も経験もない
したがって、前提条件が整っていない助言主の話はどこまでいっても枝葉末節となる。
仮にその助言主が家づくり全般を委ねるに値するのであれば、
その人に任せればよい。それができないのであれば、やはり断片的な情報にすぎない。
とはいえ、ややこしいのは、
多くの人がこの枝葉末節の情報に振り回されてしまうこと。
それにより、根幹部分を構築しないまま、判断し行動してしまう。
するとどうなるか。
私にとってのバイブル的な一冊があります。
なぜ選ぶたびに後悔するのか―「選択の自由」の落とし穴/武田ランダムハウスジャパン
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選択肢が多いほど、何が良いのか分からなくなる。
その結果、判断(選択)を誤る、判断できなくなる、というものです。
「他にもっとよいのがないか」と永遠に探し求める人をマキシマイザー
「これだけで十分」と次に進む人をサティスファイザーと称しています。
「誰かいい人がいたら紹介して下さい」とは、
結婚しない(できない?)人がよく口にする言葉です。
家づくりは結婚と同様、ご縁です。
私は相談者や依頼人とのご縁を大切にするように心掛けています。
結婚生活がうまく行っている人は相手への感謝を述べる。
うまくいかない人は相手の欠点(不足)をあげる。
家づくりも、今のアパートや借家の一室での人生や暮らしと比べて
「小川の家でこれだけ手に入る」と捉える方は着実に前進していきます。
他方、「◎◎は手に入るのは分かったけど、××が手に入らない」と比較検討作業を継続する人もいる。
自らの資金力(年収、支払、預貯金)が2倍、3倍にでもならない限り、
自らが手に入れきれるものというのは、それほど変わりません。
だからこそ、
自分にとって大切なものは何かを問い、
優先順位をつけ、決める。
家づくりを失敗しない法則とは、つまるところ、
自らと大切なものとその優先順位を共有できる住宅建築会社を探し、
そこに委ねることにつきます。
自らと大切なものとその優先順位を共有できる相手が見つかったときが、
比較検討作業の終点です。
婚約して結婚して、幸せな家庭を築くステージへ行きましょう。
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