初めての方へ

なぜ自分が望まぬ暮らしを受け入れていくのか~自分で自分を洗脳する~

相談時の要望は、基本的にみなさん同じです

「子どもをのびのび健康に育てたい」
「明るくて風通しがよくて開放感のある木の家に住みたい」
「庭のある小さな木の家で子育てしたい」
「毎日イライラせずに育児・子育て・暮らしを楽しみたい」

それが私が望んでいる暮らしです。

でも、今の住居ではそれが叶いません。
今の暮らしを変えたいんです。
だから、家を建てたいんです。

私たちへのご相談、お問い合わせは、私たち小川の家が約束する暮らしをご覧になり、コンセプトや価値観に共感して下さった方々からです。ですから、相談者の要望は、本質的な部分で共通しています。

実際に、その方の考えや要望、家族の状況、家計や経済的な事情などを伺って行く中で、
自分が望む暮らしを叶えていこう、と行動されていく方と、一方で、

いや、小川さんの家がいいのはわかりますけど、今のアパートも良いところはたくさんあるんです。小川さんの家よりもいいことがいろいろあります、

べつに、戸建じゃなきゃ、子どもがのびのび育たないというのはちがうとおもいます。

自然素材じゃなくても、食べ物に気を付けていれば健康に育ちます

近所の子どももみんな健康です(ビニールクロスでも問題ない)

古くてもすきま風が吹いて寒くても、それで子どもが鍛えられる

こどもは放っておいてもどこでも育ちます

住宅ローンのせいで教育費が減ったら子供の将来に響く

戸建に住むことで、通勤時間が今より長くなったら、家族で過ごせる時間が今よりさらに短くなるから、駅前とかのマンションの方が便利で、家族の時間も増えます

とおっしゃる方もいる。

私たち小川の家は、自らの理念、大切にしている価値観を掲げて商売をさせて頂いているだけで、当方からの売り込みは一切していません。ですから、わざわざ私たちのところに相談に来られて、「今の住居の方がいい」といわれても、なんだかなあと、ずっと思っていたわけです。どうしてそんなことになるのだろうか、と。もともと自分が望んでいる暮らしと小川の家とのそれが同じだったから、相談が始まったのに、、、

ついに、その答えが本著を読んでいて明らかとなりました。

それは

認知的不協和理論

人は自分の行動を合理化するために、意識を変化させる生き物である。
レオン・フェスティンガーというアメリカの心理学者が提唱したものです。

ざっくりいうと、
朝鮮戦争当時、中国の捕虜となった米兵の多くが、短期間のうちに共産主義に洗脳されてしまった原因を分析した結果、「共産主義は敵だが、良いところもある」というメモ書きを、その報償として、わずかなタバコやお菓子を与え、それを繰り返すことで、米兵の思想信条を少しずつ変更していく=洗脳化プロセスが明らかとなった。

今の住まいでは自分の望む暮らしは叶わない、悪いところ、イヤなところがたくさんある、なんとかしたい、という自分の想い(感受性)からスタートしたわけですが、現実的に、たとえば、夫の協力が得られない、母親が自ら住宅ローンを組むことはできない、いまの便利な暮らしは手放したくない、住宅ローンを組むと自由に(内緒で)使っているお金が使えない、となってくると、今の住居にも良いところがある(もちろんある)わけで、それをひとつずつ重ねていって、今の住まいの方がいい、と自分で自分を洗脳していく。

喫煙者が、煙草をやめない理由の一つに、落ち着くとか、納税しているとか、長寿の人は何人もいるとか、健康診断でも問題はないとか、禁煙者でも肺がんの人はいるとか、そういうのと似ているし、

DVの被害者が、被害者であることに気づかなくなったり(この人にも良いところがある)。

もちろん、人間(私を筆頭に)自分の行動を正当化、合理化しないと生きていけないわけですから、これがいいとか悪いとかではなく、

なぜ自分が望んでいたものを自分で否定し始めたり、自分が否定していたものをいいものだと受け入れ始めたりするのだろう、という疑問がずっとついてまわっていたので、この認知的不協和理論という概念を知って、あーなるほど、といろんなことが明快になりました。

で、

たとえ、共産主義にもいいところがある、と自分を洗脳したとしても、実際に、共産主義者でないかぎり、共産主義がいいわけではないですし、煙草のメリットをいくら挙げたところで、たばこを吸う限り、健康被害が減るわけではないですし、密室育児を続ける限り、子どもがのびのび生きることはできないわけです。檻や塀や壁の中での自由は、やはり、真の自由ではない。

自分が望んでいるものは、本心や本能がそうなのだから、頭でいろいろ考えるよりも、直観で選択して生きていく方がいいですね。自分の人生を自分が望まぬ方へ自分で洗脳していくなんて、僕はイヤです。

余談:1/12-14で屋久島一周ウルトラecoマラニックに参加してきました。
屋久島一周100kmを無事に完走^^

早朝5時にスタートして夕方6時過ぎにゴール^^
目標よりも1時間近く早くゴールできました^^

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。