私たちの考え

子育てを親の犠牲ととるか、幸せととるか

よくあるご相談

「なぜ俺が子どものために、子どもをのびのび健康に育てるために、犠牲にならないといけないのか」と言う夫からの問いに対して、どう応じればよいのでしょうか。

妻が夫に、

「家を建てたい」と相談する。

リアクションは二つ

「俺、マイホームいらない(賃貸でいい)」

「俺も、昔から、家を建てたいと思っていた」

次に、

「子育て優先で」家を建てたい

というと予期せぬ反応が返って来る場合がある

「俺が犠牲になれということか!」

結婚、妊娠、出産、育児、子育てという自分の肉体と精神と人生が根本から変化していく母親が、その日々向き合うべき現実、逃げられない現実をいかに生きるかを考え抜いた末に、

「子どもをのびのび健康に育てたいので、子育て優先で家を建てたい。協力してもらいたい」

という願望を夫に伝えた。

そのリアクションが

「俺が犠牲になれと言うことか!」

とある意味、逆鱗に触れることがある。

「なぜ俺が子どものために、子どもをのびのび健康に育てるために、犠牲にならないといけないのか」と言う夫からの問いに対して、どう応じればよいのでしょうか。

私もこの相談(現実)に向き合うこと約20年。こうすれば解決する、という正解は導き出せていません。

そこでまず「犠牲」という言葉の意味(定義)を確認します。

ぎせい【犠牲】

デジタル大辞泉によると

神、精霊などをまつるときに供える生き物。いけにえ。
ある目的のために損失となることをいとわず、大切なものをささげること。また、そのもの。「道義のために地位も財産も犠牲にする」「犠牲を払う」
災難などで、死んだり負傷したりすること。「戦争の犠牲となる」

大辞林によると

① 目的のために身命をなげうって尽くすこと。ある物事の達成のために、かけがえのないものを捧げること。また、そのもの。 「 -を払う」 「青春を-にする」
② 「犠牲者」の略。 「戦争の-となる」
③神に捧げるために生き物を殺すことやその儀礼。また、その生き物。いけにえ。供犠くぎ。

グーグルによると

①一層重要な目的のために、自分の生命や大切なものをささげること。
②天災など不測の災難によって生命を失うこと。

「子どものために俺が犠牲になれということか!」
という夫の言動に対するリアクションとしては、二つあるかな、と思います。

①「はい。犠牲になってください

②「私は、あなたの子どもを命がけで産み、育てていることを、自分を犠牲にすることだとは思っていない

犠牲という言葉の概念をどう認識しているかによります。

上記の辞典によれば、

一層重要な目的のために、自分の生命や大切なものを捧げること、と解釈すれば、①だし、

「生贄」と解釈していれば、生贄なんて思っていないなら、②となる。

私は「子育て優先は父親にとっての犠牲なんだ」というものの見方をされるとショックを受けます。

なぜなら、そもそも私は個人的に「犠牲」という言葉に、あまりいいイメージを持っていないし(犠牲者)、何かを犠牲にすることはしていないし、させないので、日頃から使わないからです。

仮に、

子育て優先とは父親の犠牲である

と定義したとして、

自分が犠牲になることを受け入れたとしても、それがより一層重要な目的のためであれば、それは自身にとって意義もあるし価値もあるし、幸福なことなのではないでしょうか。

ですから、

夫から「犠牲になれということか!」と逆鱗された場合には、まず「我が夫よ、あなたの人生にとっていちばん大切なものは何ですか」と問うてみてください。

子どもの健やかな成長、妻の心身の健康、妻や子どもたちが笑顔で快適に暮らせるという価値(日常)が、父親であるその人にとって、どの程度の価値があるか、という問いです。

人にはそれぞれ価値観、価値判断基準があります。

「この人と一緒になりたい(結婚すれば自分が望んでいる幸せな家庭、人生となる)」と判断したのは、本人です。

子育てを自分の犠牲ととるか、幸せととるか。

 

物事にはいいも悪いもない、あるのはものの見方だけ

とはアインシュタインの言葉(だったような)

犠牲でもなんでもいいから、いまの住まいでの家事育児・子育て・暮らしのストレス、不快さを解決しましょうよ、笑顔で快適に暮らせるようにしようよ、ってことです。そのために必要な努力をしましょうよ、と。

家を建てるかどうかに関わらず、幸せな人生を、幸せな家庭を一緒に築いて行くことに対して、協力しない、したくないなら、ハンコつく書類が変わるってことです。

自宅で三輪車に乗っても叱られない、叱らなくてもよい。

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。