この子のためにやっている
7月末にお引越しを終えた奈良県のOさん宅(小川の家75)へ
「約束を果たせたかどうか」の確認へ行って参りました。
「家が建つのが先か、この子(藍ちゃん)が立つのが先か」
とおっしゃっていたOさん
藍ちゃんは、しっかり歩いていました(笑)
彼女の、しっかりとした、イキイキとした表情、雰囲気を見て、
「あー、僕はこの環境を提供するために、この仕事をやっているんだ」と
心が震えました。
図面と仕様書、材料、職人さん、そしてお金(住宅ローン)を準備すれば
健康に暮らせる「家」という「モノ」はつくれます。
しかし、それを必要とするかどうか、
我が子の健やかな成長のために、
親の目先の利便性や煩悩を多少減らし、諦め、それよりも
「我が子がしっかり育つことが何より大切、優先=幸せ」と
認識して、行動できる親というのは、そういない。
物質面に限らず、あらゆる場面で表面的な豊かさを享受し、
それにドップリ浸かりきっている現代人にとって、
煩悩を増やすことは容易だが、
減らすこと、見直すこと、捨てること、状況を客観視して、
軌道修正することは、非常に難しい。
藍ちゃんのおかげで、
「自分の仕事の意義とやりがいを再認識」できました。
子どもに
厳冬に衣服を与えなければ、凍死する。
きちんとした食事を与えなければ、栄養失調となり、餓死する。
病を治療しなければ、病死する。
心身ともに健やかに育つような住環境を与えなくても、死にはしない。
ただし、「健やかな成長」を望みながら、そうなるような環境を与えずして、
果実だけを求めるのは、道理に合わない。
親からしっかり育つ住環境を与えられた(小川の家で暮らす)子どもたちの眼力は、
私に勇気とパワーを与えてくれる。