私たちの考え

祝定年退職ー勤続40年、共に働き24年ー

祝定年退職

2021年5月25日は40年間務めてくださったUさんの定年退職の日。来月65歳を迎えます。上棟式と重なり、感慨深い1日となりました。

40年ということは、私が8歳の時から。私も共に働いて24年になります。

父が創業して52年になりますが、定年退職者は初めてです。

いつか必ず退職する日が来る。

私がそれを意識し始めたのは、Uさんが50代半ば、十年前からです。退職金制度や会計上の取り扱い、退職金の引当をどうするか。60歳での定年、再雇用や給与カットなど、いろいろ調べましたし、検討しました。

私の結論(方針)は、本人がやめるというまで、そのままでいく。だって、60歳過ぎて、いきなり能力が半分とか3分の1になるわけない(笑)

とはいえ、それがいつか、どのような形なのか、というのは誰にもわからない。

会社が倒産する、業績悪化での給料の大幅カットや解雇、会社への失望での転職、脳梗塞やうつ病などの体調問題で働けなくなる、事故や家庭の事情など、現実的に考えると、いずれもありうるわけですし、実際に、そういう現実の方が多い。

少なくとも私は、そういう状況になりたくない。そういう未来は、なんとしても、避けたい。

私がやるべきこと、できる範囲で最善のことは何かと考えると、Uさんが自らの引き際を決め、その退職の日に、会社は倒産しておらず、経営危機でもなく、Uさんが心身ともに健康で、経済的に困窮しない状態で、シニアライフを前向きに楽しめる、あわよくば、次世代に技術とスピリッツを継承してくれて、人が育っている、そういう状況をつくり出すことができれば、それはみんなにとってハッピーではないか、と。そのために、私はいつ何をどうすればよいか。彼にいつ何をどうしてもらえればよいか。

この十年間、そういうゴールを想い描いて、日々、考え、調べ、相談し、判断し、経営、指示、準備してきました。経営者としての力不足は多々あったわけですが、本日、従業員全員で笑顔で送り出すことができました。想い描いたゴールは、ほぼ叶ったのではないかと思っています。

それはひとえに、Uさんの尽力のおかげです。
奥さまやご家族のサポートのおかげです。日々、誠実に、黙々と地道に、気に入らないこと、思い通りにならないことも多々ある中で、それでも不平不満を言わず、飲み込んで、やるべきことをやり抜くその姿を、この二十数年間、毎日見てきました。見習うべき姿であり、見事だったと尊敬しています。

Uさんには、独自の美学があるように感じました。彼なりの美学に基づいて生きる、働く、その生き様、プロフェッショナリズムを、この二十数年間、共に働き、艱難辛苦を味わい、困難を乗り越えていく中で、見させていただき、私も育ててもらった。その姿は、私だけでなく、弊社の次世代を担う建築技術者にもしっかりと伝わっていました。

感謝という言葉しかないわけですが、それでも何か伝えたくて、今朝、Uさんに手紙を書くことにしました。今頃、自宅で読んでいることでしょう。

承継者ー長男の宿命、責務の一つをやり遂げて、ホッとしています。
感謝、感謝、感謝です^^

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。