人間:小川勇人④~幻のスピーチ原稿より~
最終回です(笑)
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「子どもの未来」について
家づくりの依頼は、母親からの一通のメールからはじまります
メールといっても、その内容(事情)は様々で
「小川の家で子育てをしたいが、どうしたらよいか」という短いものが殆どです
しかしその行間からは、
「助けてください」という叫び声のようなものが伝わってきます
私がまず伝えるのは
「これからの人生をどうするか、
夫婦で踏み込んで話し合い、
意思統一してください」ということ。
なぜなら、そこがもっとも肝心だからです。
お金の問題や物件の条件(どこに、どんなモノ)は
その後の話だからです。
※結婚を決める前に、結婚式場やドレス選び、見積りをしないのと同じ
いまのまま、か、「子育て優先」か、人生の選択を迫ります
現実には、これ以降、何の音沙汰もない夫婦もいらっしゃれば
数年後に連絡があることもしばしばです
子どもは、親の、大人の行動をよくみています。
彼らは、私との打ち合わせの間中、泣いたり、ぐずったりしません
なぜなら「自分たちの未来がかかっている」ことをよくわかっているからです
生後6ヶ月の赤ちゃんでも、です
私の目をじっとみて「お兄ちゃん、頼むよ」という表情をします
親が決めた瞬間、子どものメジカラは一気に変わります
家が完成してから、ではありません
「カゴ」から「巣」へ脱出する事が決まった時点で、 です
未来が明るくなる、希望を感じる、生きる意欲がわいてくるんだと思います
私がこの仕事に命を使う意義があると確信する瞬間でもあります
逆に、親が迷っていると「信じているよ」という表情をします
「心の支え」とはこういうことなんだと
子どもたちの表情の変化から、いつも教えてもらっています
私にとっての子どもの「未来」とは、
大人になった時のことではなく、
「いま、ここ、この命の扱われ方」から、始まるし、
つながっていくと思います
最後にもうひとつ、社会の未来について
私は、子どもは社会の宝だと思います
大人ひとりひとりが
様々な局面において
社会の宝として、子供の未来のために子育てを優先すれば
そういう姿勢で育てられた子どもたちは
自ら考え、育ち、やがて
ここにいらっしゃる皆さんのように
世のため、人のため、自らの命をつかって
社会や家庭をつくっていく大人になると思います
そういう彼らがつくる社会は
きっと誰もが希望を持ち
生きる喜びを感じる日本社会になると私は信じます
誰もが心豊かで健康に暮らせる住まいと街の実現を目指し
これまでの活動に加え
「自分で家を建てるしか無い」という現状の最大の課題を解決すべく、
転勤族を抱える企業の社宅、公営住宅への採用提案といった賃貸事業など
一企業の枠を超えて、新たなステージに挑戦していきます
ひとりでも多くの方にご支援をお願い申し上げ
私のプレゼンを終わります
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