家族遊び

親子で山登りするということ

我が子は3人
長男キハチ(小6),次男イッペイ(小5),長女ナナ(小3)
登山経験は僕も妻も子どもたちもほぼ一緒。
今回の懸念は3点

  • トラウマ
  • 体調不良
  • 不機嫌

トラウマ
長男は高山病(2年前の富士登山)、次男は貧血と腹痛(7月の富士登山)

体調管理
当日までの家族全員の体調管理。自分の(走りすぎに伴う)内臓疲労、次男が10日前に体調を崩して嘔吐で大変だったこと

不機嫌
子どもたちにはそれぞれのリズムがある。超ご機嫌、ご機嫌、普通、不機嫌、超不機嫌がそれぞれのリズムで順番に来る(これは別に登山に限ったことではなく日常生活においても同様です・笑)。普通に登る、走る、止まる、ふてくされる、これを3人がバラバラにやるわけです。私のイライラをいかに抑えるか。とくに娘は半端じゃない!


初日の宿にて明日からのルートを確認(やる気あり)

二日目。いよいよ登山。案の定、次男が朝食を口にせず、超ブルーで元気がない。トラウマとそもそも登りたくないオーラを前面に押し出す。出だしからイラつく。入山してすぐに、長男が登ってこない。置いて行かれたと思ってふてくされて止まっていた。いやいやいつもそれぞれ歩き出すじゃん。いきなりの急登、朝一で眠い。鬱蒼とした森の中、景色も遊びも何もなく、ただきつい。1時間弱で最初の休憩ポイント、第一ベンチに到着。ちょっとホッとする。「早く帰りたい」という子どもたちをなだめすかしながら、黙々と登る(時には無視することも大事)。イライラする。娘はなぜか「きのこ!きのこ!」といろんな種類のきのこが生息していることにやたらと興味を出し、いちいち止まる。

おーい、まだまだ先は長いのです。僕と次男は典型的なピークハント型(頂上まっしぐら、最速で登ってとっとと下山したい)。

子どもたちに「まだ?」「どえぐらい?」と聞かれてもなにもわからない(地図でルートタイムは書いてあるが、歩くスピードでまったくちがう)。なぜなら、私も登った頃がないから。いまどの辺りなのかわからない。ゆえに「知らん」としか答えようがない。「あと、どれぐらい?」と動かない娘が聞く。「動かんかったら、いつまでたってもたどり着かんやろうが!」とキレる。「一歩一歩、歩こうね」なんてガイド的なことなど言えない。
燕山荘までの登山道には、第一ベンチ、第二ベンチ、第三ベンチ、富士見ベンチ、合戦小屋と休憩ポイントがある。トイレとお店があるのは合戦小屋のみ。

ここまでくるとテンションが上がってくる
合戦小屋にて名物「スイカ」をいただく


朝ごはんをほとんど食べていないので、ここでうどん。うまい^^

キレたり、休憩ポイントがあってホッとして元気になったり、パーンと景色が開けてヤッホーと叫んでみたり、少しずつ高度が上がり、開けてくると元気も出てくる。入山から5時間半、山荘に到着。突然の現れた絶景に感激、感動する!

チェックインして、お腹が空いたので、うどん、カレー、妻はチーズケーキセットをみんなでシェアして休憩。一息つく。義父母はまだまだだけど、着実に進んでいる(メールでやりとり)。

部屋に荷物を置き整理して、山荘から約30分の燕岳を目指す。絶景ルート!最高!山頂でのお楽しみ「じゃかりこ」を食べる。次男も超ご機嫌になる。満面の笑み。

イライラすること、キレることはいつものように多々有りだけど、山の上では地上ではなかなか見せない表情に出会える。それは僕も同じ。それだけ違う感情、心を動かす何か大自然の中にはあるんだと思う。

山荘に戻り、そろそろじゃないかと思った時に、義父母の姿を発見!義母はヘロヘロ。よく頑張ったと思うし、やらせすぎたと反省、自己嫌悪。部屋に入り、休憩。着替えを勧める。義父母に渡しておいた経口補水パウダー、塩熱タブレット、アミノバイタルを指示通りに摂取したことで、ギリギリ登って来れたのだと思った。それにしてもその精神力を尊敬する。

食べることが大好きな義母は、念願のスイーツを食べ、元気回復。

夕食は17:30。元気だった長男が、頭が痛いと言い出す。高山病か?少し寝て、食事タイムで起こす。大混雑の食堂。すぐに長男が「吐く〜」と言い出す。慌てて小脇に抱えてトイレへ。スタッフが黒いビニール袋をすぐに渡してくださった(嘔吐する人が相当いるようだ)。トイレにこもるも吐かず。部屋に戻り、経口補水液をつくり、のませる。高山病には深い呼吸と水分補給。長男が落ち着いたので食堂に戻る。今度は次男。山荘のオーナーの山解説の途中だったけど、これまた強引に次男を連れ出し、部屋へ。経口補水を飲ませる。兄の嘔吐と大混雑の食堂などに、貧血気味。布団を敷き、大丈夫だからと落ち着かせる。少しして、長男復活!元気になり、Tシャツなど買い物に。

次男も大丈夫。ホッとした。結局二人とも高山病というよりも人混みなどに軽い貧血。長男は余計なものを食べ過ぎ。とにかく、元気になって良かった。僕は夕焼けを眺めに外に出て、深呼吸。あとは寝るだけ。

子供たちは爆睡。僕は何度も目がさめ、いろいろ考えると眠れない。まあそんなもの。AM4時。外を見るとご来光登山でライトがチカチカ。食堂前には4:30からの朝食を待っている多くの登山宿泊者。朝焼けとご来光を眺めて、5:30から朝食をとり、下山準備。子供たちは食べないので、お弁当にしてもらい、それを部屋でつまむ。長男次男が元気。娘はさらに元気。じゃれ合いながら長男は次男に「高山病の苦しみ、わかったかー!」次男「高山病じゃなかったもーん」。長男は次男が富士登山で高山病を味合わなかったことが気に入らない(笑)

義父母が安全に下山できるように、レインウエアと水、行動食以外を僕と妻と長男で担ぎ、負担をさらに減らすことに。また、私たちの方が準備に時間を要するので先に出発してもらうことにした(すぐに追いつくので)。飛行機の時間もあるので、最後に慌てさせて怪我させたくない。


AM7:00 下山開始(山荘で記念撮影)
下山はルンルン。あっという間の3時間(義父母は4時間半)。

いつものように、おとなしく余計なことをせず、家にいれば良かったと思うようなことが起こると「もう二度とこんなことやらない」と思うわけですが、なんともいえない笑顔と絶景と異次元の空間を家族みんなで過ごせるというのはやっぱり幸福なんですよね。涙が出るほど嬉しい。それができることに感謝する。
超面倒くさがり屋の自分がそれでもやってしまうほど、魅力があるんでしょうねえ。子どもたちはそれぞれぐんぐん成長するし、一緒にチャレンジするからこそ、面白いんだよなあと。また気が向いたらやろうかと思います。子どもと両親に成長させてもらえた夏休み最後の一大チャレンジでした^^

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。