ウルトラマラソン

車に乗りませんか=リタイアしませんか?~橘湾岸スーパーマラニック103km@ボランティア~

「乗りませんか=リタイアしませんか」
金曜の夜8時から土曜日の夜まで約24時間。

橘湾岸マラニックにて収容班の一人としてボラ参加してきました。

役割は
「リタイア者からの連絡があったら、リタイア地点(主にエイド)まで自分の車で迎えに行き、主催者指定の場所まで送り届けること」

 

つまり、スタート時刻の午前0時から最終ランナーがゴールする18時まで、103kmのコース上を行ったり来たりするわけです

(※走行距離は計320kmだった)

 

一口にリタイア(完走できない)といっても主に2つに分かれます。

①「自分の判断」で宣言する

②「他者の判断」でやめさせられる。
大会規定によりこれ以上のレースを認めない(主に関門アウト。定められた地点を定められた時間内に通過できない、正確には失格)

 

橘湾岸では
① 各エイドで自ら宣言するか、自力でエイドまで辿り着けない場合、コース上で自ら収容係に電話し、自分の位置をコースマップ上の番号で伝える。

 

②は難しい。ランナーの身体の状態と心理として二つある。
2-1 精魂尽きていたので、これでやめられる(自らやめるとは言いたくない)

2-2 気力はあるが身体が思うように動かなくなってしまった。時間はかかるが前には進める。レースをやめたくない。続けさせてほしい。

 

関門地点まであとちょっとであれば、そこまで自分で進んで収容されるわけですが、大会運営上、そこにその一人のランナーが辿り着くまでに1時間も2時間も、さらにはいつになるかわからないという状況まで待つわけにはいきません(個人的には、そもそもウォーキングの大会ではないというのもある)

 

私は湾岸で①も②も経験したランナーとして、どちらの気持ちも身体が壊れた状態もよくわかります。

 

収容係としては、どこかに待機して携帯電話かメールが来たらそこに向かえばよいのですが、やはりランナーなので何度も巡回して回りました。

事故やケガ、体調不良で動けなくなったランナーがいないか、何より応援も兼ねて^_^

 

私はランナーなので、ランナーの表情や動きを見ていると、ヤバそうな人はすぐにわかります。ランナー心理として、リタイアしたくないわけです。だから、無理を重ねるわけですが、スタートから10時間を超えてくると危険な領域に入ってくると私は思うわけです。

主催者もそう考えているからその時間帯、そのエリアに関門を設定するわけです。

 

私は今回、何名かのランナーに、こちらから車を止めて、飲み物を勧め、会話を交わしたあと

「車に乗りませんか?」とリタイアをすすめました

目を見れば、まだ行く、という心があるか

「どこかでやめたいけれど、やめるタイミング、踏ん切りがつかない」というのがわかります。身体が動かなくなり、次のエイドまで遠すぎて見通しが立たないから、ましてやその先のゴール(完走)など、到底無理だと自覚しているから。

私の車には前後に大きく「収容車」というステッカーが貼ってあります。よって、先方には、私の役割は伝わります。
「強制ですか?」

「いいえ^_^」

「今日はもう十分頑張ったと思いますし、私にあったのが縁ということで^_^乗りませんか?」

「分かりました。乗せて下さい」
「そうですね〜。あ〜悔しいなあ。

やっぱりもっと練習しないとですねえ。

去年は完走できたんですけどね〜その前は3回リタイアしてますが^_^」と車の中でも会話が弾んだと思った瞬間、口を大きく開けて爆睡してました。ホッとしたんだと思います。

 

結局、二十数名の方々を収容したと思います。
特に、最後の関門(97km地点)に間に合わなかった90km~96km地点で、最後尾から順番に、一人づつ、車を止めて「乗っていただけませんか」を伝えた5名の方々との短いやりとりと車中の雰囲気はなんとも感慨深いものがありました。

17時間の奮闘。あと10km届かなかった。初チャレンジの方が殆どで、悔しいと言いながら涙を流していました。

 

私はリタイアは再チャレンジのきっかけだと思っています。

進化や成長の機会を与えてもらったと。

完走が成功であれば、リタイアは失敗です。

でも、失敗は成功の元ですから。

 

多くの方が「再チャレンジする」とおっしゃっていました。
今回のボラ。すごくかけがえのない経験をさせてもらいましたし、たくさんのランナーの方々のその走り、闘いぶりを見れて、すごく勉強にもなりましたし、走るっていいなあと思いました^_^

 

見事完走された皆さん、おめでとうございます!

見事リタイアされた皆さん、ぜひ再チャレンジしてください^_^

 

私は来春L173km(3回目)

来秋W276km(初)に挑戦します!

※横浜からの参加者:ジョージさんと

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。