初めての方へ

マイホームの値段が高くなるのは他人と比べるから

Mさまのマイホームがまもなく完成です。

Mさまは公営住宅からこのマイホームに引越しをされます。
Mさまに限らず、親族所有の家屋の建て替えを除けば、ほとんどの方が、賃貸物件から引越しをされます。家賃は社宅だと2万円程度から、民間のマンションで10万円ぐらいまでの間です。結婚してからの家賃支払い総額は、毎月6万円、5年間として、計350万円〜500万円程度です。

家を建てることが具体的に決定すると、ほとんどの方が、次々と要望を増やしていきます。

人間の心理の変化は面白く、要望、条件に関して、

<家が欲しい、家を建てるなら、と思っている段階>
どんどん増えていき(夢が膨らむ?足元が見えない?)収入にかかわらず、だれもがセレブと同じものを求める

<真剣に、具体的に考え始める段階>
そもそも家を建てることができるのかという不安から始まり、要望、条件は減っていき(優先順位をつけ、厳選され)、自分たちにとって何が一番重要か、大切か、現実的にはどの程度なのかを受け入れはじめる

<家を建てると決断するタイミング>
要望が本質的なものに絞られる。
要するに「これだけあれば十分」「とにかく、ここから出よう」「望む暮らしを一つでも実現しよう」「暮らしを変え、人生を変えよう」となる。
決断するためには、あれこれ条件を求めていると永遠に堂々巡りになることが自覚できるからです。

<次の段階>
家を建てると決めた途端(まだ家が建つとは決まっていない)、また要望が増え始めます。これだけあれば十分、から、せっかくだから、あれが欲しい、これも欲しい、となる。

<次の段階>
家が建つことが明確になった途端、さらに要望が増えていく。

<要望が増えるとは、お金がそれ以上に余分にかかるということ>
で、どうなっていくかというと、決断した時よりも要望=満足できる条件が増えていくので、より多くのお金がかかるようになります。

・増えていく要望の中身には二つあります。

①本人がどうしても欲しいと思っているもの。

②外野からの情報で、あったほうがよいのではないかと不安になりはじめて、足し算されていくもの

前者はいいのですが、後者は、他人と比べてどうだこうだ、に基づくものです。

知人友人、親兄弟の助言(大きなお世話)、ネットや雑誌の伝聞。そもそも自分と自分の家族のための家づくりだったものが、いつのまにか、外野の評価を気にして、他人と比べて、不安になり、追加されていくわけです。

あったほうがよいものは、なくてもよい。

友人知人、親兄弟、同じ職場の人間など、身近な存在とはいえ、経済力は全く違います。懐具合など知る由もない。ましてや、雑誌やネットに出てくるマイホームの人たちの経済力など、見当もつかない。だけど、その経済力の違う人たちの助言を、我が家のマイホームにも採用しようとするわけです。特に意識することもなく、自らの経済力以上のものを買わないといけないように、自分を追い込んでしまう。それが全て手に入らないことに対して不安になる。要望を増やせば、その分お金はかかります。経済的にはきつくなる。予算は膨らんでいく。すると、マイホームは高い、高くつく、となってしまう。

マイホームが高いのではなく、他人と比べて、必要以上のものを、経済力以上のものを手に入れようとするから、必然的に、資金的にきつくなっていくわけです。

あったほうがよいものが優先されて、なくてはならないもの、つまり、大切なものがカットされていく。

私は、小川の家は、というと、依頼してくださるお客様ご家族の経済力に見合ったもの、経済力の範囲しか、提案しません(家づくり診断において、経済的な部分は正確にヒアリングしている)。お客様が、本人の意図とは別に、外野からの意見、助言、要求で、経済力を超える要望を私たちにリクエストしてきた場合には、まずはよく事情を聞いて、プラスアルファの要望分の追加コストを誰が負担するのか、それを明確にした上で、その負担が本人であれば、あっさり、それいりませんよね、経済的に無理ですよね(笑)といって、お客様をお守りするようにしています。

友人Aさんのマイホームにとって、暮らしと人生にとって、育児子育てに必要なものが、大切なものが、大事なものが、あなたの幸福な人生にとって必要なものであるという根拠はどこにもないです。逆に言えば、ないほうがいいもの、取り入れてはいけないものが混在している場合も多い。

他人の意見に耳を傾ける、意見や助言を参考にするのであれば、その対象は、自分が望む暮らしをその人がしているかどうか、見習いたいかどうかを見極めた上で、採用するかどうか決められてください。

ちなみに、あなたが、小川の家が約束する暮らしが叶うようなマイホームを希望する場合、マンションやハウスメーカー、ローコスト住宅や中古住宅、建売住宅や自然素材を使っていない住宅をマイホームとして購入した人の意見を聞いても、ほとんど意味がないことはいうまでもないです。

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家づくり診断の申込み:info@ogawanoie.jpまたはお電話にて095-879-7888

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私が書いています

代表取締役 小川勇人(おがわはやと)

代表取締役 小川勇人おがわはやと

1973年長崎の小さな工務店の長男として生まれる。2000年頃、シックハウス症候群と様々な社会問題が子育ての住環境に起因していることに気づく。以降、子育てを優先した家づくりに徹する。日経ビジネス誌にて「顧客の人生を助ける善い会社」として紹介(2015),著書「暮らしは変えられる」(2008)#妻と二男一女#ウルトラマラソン#登山#MBA(長大大学院,2014)#熊大工学部(1996)#長崎東#福大非常勤講師

暮らしは変えられる 「子育て優先」という選択 小川 勇人  (著) 小川 勇人のFacebook
子育ては、小川の家。